原因は「レールの広がり」…8月8日の浜松工場新幹線脱輪事故

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脱輪したN700系G19編成9~11号車の様子。
脱輪したN700系G19編成9~11号車の様子。 全 4 枚 拡大写真

JR東海は8月15日、浜松工場内で8月8日に発生した新幹線車両脱輪事故の詳細を明らかにした。

この事故は、8月8日16時51分頃、浜松工場の庫7番線で、N700系G19編成(16両編成)の出庫作業中に、9・10号車の全16車輪と、11号車の進行方向前部の1車輪が脱輪したもので、2号車が浜松市市道上の踏切を塞ぐ形になった。

このため、1~8号車と9~16号車を切り離し、1~8号車を踏切から支障のない範囲へ移動。翌8月8日から8月12日にかけて、脱輪した9~11号車をクレーンにより載線。線路や架線の復旧作業が行なわれた。

脱輪した箇所は、工場内の半径200mの曲線上。ここは東海道新幹線では浜松工場にしかない急曲線だった。

この箇所では、レールを枕木に固定する器具として「犬くぎ」という、釘状のものが使われていた。これは明治時代の鉄道黎明期から使われていたもので、頭部が犬の頭に似ていることからその名が付けられた。

しかし、この犬くぎは、経年により浮き上がりやすく、いったん浮き上がると締結力が低下するという欠点を持っている。今回は、その現象でレールが傾き、間隔が広がってしまったことが、事故の原因とされている。

この原因を受けて、JR東海では、浜松工場内の半径200m以下の曲線部すべてを対象に、レールの固定具を、コンクリート枕木との固定に使わている、より弾力性の高い「板ばね」に変更して、レールの締結力を強化するとしており、今回の事故箇所では8月14日に対応済みとなっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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