ドイツに本拠を置く自動車部品大手、コンチネンタルは8月29日、キー無しで車両へのアクセスを可能にする「スマートアクセス」を開発した、と発表した。
コンチネンタルによると、自動運転が普及した際、現在の車両キーは将来のモビリティコンセプトに適さない可能性がある。キー無しで車両にアクセスできれば、自動運転車によるカーシェアリングなどに応用できる可能性が広がるという。
また従来は、たとえば車のバッテリーが消耗したとき、ドライバーは機械式の緊急キーと手動のドアロックを利用して車に乗り込む必要があった。コンチネンタルのスマートアクセスは、車のバッテリーがあがっても、ユーザーは車の緊急キーに頼らず、デジタル操作でドアが開閉できる。
自動緊急ロック解除システムは、セキュリティチェックに成功した後に信号を送信し、ドアのロック解除プロセスをスマートフォンなどの近距離無線通信技術によって起動。これにより、緊急時にも機械キーが不要になるため、ユーザーの利便性が向上する。また、キーを開発する必要がなくなるため、自動車メーカーにとっては、設計の自由度が増す。自動ドアオープナーと組み合わせると、ドアハンドル全体が廃止され、外装デザインの選択肢が増え、空力抵抗が改善される。
スマートアクセスは、スマートフォン経由で車両アクセスを可能にする。システムは仮想キーを中心とし、仮想キーはモバイルエンドデバイスに保存。 改ざん防止のデータレコードで構成されているこのキーは、バックエンドによるワンタイム認証が成功した後にのみアクセスを取得。ワイヤレスインターフェイス経由でスマートフォンに送信する。さらなる通信は、スマートフォンと車両との間でのみ行われるという。