【グッドイヤー アイスナビ7 試乗】スケート場で検証、「氷上ブレーキ性能が大幅アップ」は本当か…丸山誠

試乗記 国産車
グッドイヤー アイスナビ7
グッドイヤー アイスナビ7 全 16 枚 拡大写真

今年の夏は各地で豪雨被害が発生し、東京の8月の連続降雨は21日もあった。9月に入ったが東京の秋はまだ遠く、蒸し暑い日が多い。だが北の大地、北海道ではすでにスタッドレスタイヤの商戦が始まっている。

本州の感覚、とくに関東から西の地域がスタッドレスタイヤを意識するのは、12月に入ってからが多いが、北海道ではこの時期から予約しないと予定した時期にタイヤを履けないこともある。

北海道での販売に合わせ、タイヤメーカーはメディア向け試乗会を雪がある1月から2月ごろ北海道で行うことが多い。発売前のタイヤに試乗させ、その記事がこの時期にリリースされるようにしているわけだ。

だが便利なことに汗が噴き出すような真夏でもスタッドレスタイヤの性能を確認できる場所がある。フィギアスケートなどを行う屋内のアイススケートリンクだ。タイヤメーカーはスケートリンクでも試乗会を行うことが多く、今回は発売されたばかりのグッドイヤー『アイスナビ7』に氷上試乗することができた。

氷上ブレーキ性能が大幅にアップ

アイスナビシリーズは1997年に日本市場に投入され、今年で20周年を迎えた。アイスナナビ6から7に進化し、氷上ブレーキ性能を大幅にアップさせたというのが特徴。新パターンのトレッドデザイン「セブン・エフェクティブ・デザイン」を採用。

トレッドのブロックが大きめで、5リブ構造に4本の太いストレートグルーブが走っている。いかにも効きそうなトレッドデザインだ。ブロック内のヨコ溝をより細分化することで氷上ブレーキが向上。とくにショルダーブロックのサイプは、先代モデルのアイスナビ6の5本からアイスナビ7は6本に増やしている。

さらにブロック自体の倒れ込みを抑制するためウルトラ・NAVIブレードを改良。これによってパターンエッジ成分が13%アップしたことで、氷上での性能がさらに向上した。

試乗車は『プリウス』と『C-HR』でともにFFのハイブリッド。まずはプリウスでピカピカに磨き上げられたリンク上でスタートすると、わずかにホイールスピンをした後、すぐにグリップを取り戻してトラクションがかかる。

その先は8km/hでのスラロームに入る。ステアリングを切り込むとレスポンスよくノーズが動く。じつは滑りやすい路面ほど応答遅れがないことが大切。不慣れなドライバーはステアリングを切っても反応がなく、曲がらないことでさらに切り込んでしまう。こうなると曲がるはずのタイヤでも旋回力がなくなりコースアウトになりかねない。

アイスナビ7はテンポよくスラロームをこなし、15km/hまでスピードアップしてフルブレーキ。ペダルを踏んだ瞬間にググッと減速Gが立ち上がる感じで氷の路面をよく噛んでいるのがわかる。ほぼ同じ条件でアイスナビ6でもブレーキングしたが、減速Gの立ち上がりがマイルドで制動距離も50cm近く長くなってしまった。

氷上性能を大幅にアップさせたというだけあり、アイスナビ7のアイスブレーキ性能はかなり向上している。同時にトラクション性能も向上しているため加速性能もいいのが特徴。この冬、注目のスタッドレスタイヤだ。

■5つ星評価
アイスグリップ:★★★★
アイスブレーキ:★★★★
アイスコーナリング:★★★
総合アイス性能:★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。

《丸山 誠》

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