【インタビュー】トヨタを変えるために踏み込んだ…トヨタ自動車 コネクティッドカンパニー 井形弘

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トヨタ自動車 コネクティッドカンパニー BR MaaS(マース)事業室 設計企画グループ長の井形弘氏
トヨタ自動車 コネクティッドカンパニー BR MaaS(マース)事業室 設計企画グループ長の井形弘氏 全 2 枚 拡大写真

自動運転やEVなどのブレークスルーによって、自動車が変化しようとしているいま、次世代通信規格「5G」も、実用化に向けた検討が進められている。自動車のブレークスルーとITが通信によって融合したとき、モビリティはどのように変革するのか。レスポンスセミナー「5Gとモビリティ革命」に登壇予定のトヨタ自動車 コネクティッドカンパニー BR MaaS(マース)事業室 設計企画グループ長の井形弘氏に聞いた。

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《聞き手 三浦和也 佐藤耕一》

■トヨタを変えるために

---:昨年10月、モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)構想や、DCM (Data Communication Module) の全車搭載を2020年をめどに進めるという発表がありました。非常に積極的な姿勢ですが、何がトヨタをそうさせているのでしょうか。

井形:これまでにも、自動車の製造販売ビジネスから脱却しなければならないという取り組みはあったのですが、アメリカで急速なシェアリングの普及が起きているのを見ると、新車を買って乗るのが好きな日本人も、影響を受けて合理的に判断するようになってくるのではないか、モビリティサービスの時代に対応しなければならない、という想いがひとつめ。

そしてもうひとつは、車の作り方を変えるための一手という意味です。コネクテッドになることで、従来の車づくりとは違って、データを見て、何が起きているか把握しながら開発を進めることができる。そのために一番重要なデータを押さえたいということです。

---:一般論としては、自動車メーカーが通信を利用する動機は、自動運転やOTA (On The Air update) のためだと思うのですが、トヨタの場合はそうでなくて、サービス企業として車を扱っていくにあたって、データーベースプラットフォームと通信することが必要であると。その動機が、他の自動車メーカーと違うと感じます。

井形:トヨタ全体のカルチャーを変えていく、という意味で積極的な言い方をしてしまいましたが、ただ、DCMを全車標準でつけましょうということは、やっぱり一歩以上踏み込んでいるということなんですよね。逆に言うと、標準搭載するだけのメリットを引き出さなきゃいけない。だから幅広い分野で検討が進んでいるわけです。

例えば、どのデータをどれくらい取ればいいのか。サンプリング時間5ミリ秒で正確にほしい。そんな条件でたくさんのチャンネルを取っていったら、いくら5Gと言えどもお話にならない。本当に必要なデータは何か、それで実現できることは何か、というすり合わせをしなければなりません。

---:DCM全車標準搭載を決めたことで、それを利用するアイデアがたくさん出てきている状態ということですか?

井形:その通りです。

---:そのいっぽうで、サービサーへの投資を世界中でしていますね。「ゲットアラウンド」や、つい先日には「グラブ」に出資しています。これも、モビリティをサービスにしていくという目標に向けた動きの一環ということですか。

井形:そうですね。今年6月の株主総会で社長が、「これからトヨタはM&Aも含めてあらゆることをやっていきます」ということを話しました。トヨタのカルチャーを変えてくことを期待していると思います。

---:まったく新しい社風の会社を取りこむことで、トヨタを変えていくという意図があるということでしょうか。

井形:トップの意図はそうだと私は理解しております。アライアンス、出資を含めてベストなことをやっていきたいです。

---:なるほど。そういったアイデアを実現するためのプラットフォームとしてのMSPFという構造ですね。

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《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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