【ハーレー ソフテイル ファットボーイ/114 試乗】マッチョな豪快さは健在…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
ハーレーダビッドソン ソフテイルファミリー FATBOY/114
ハーレーダビッドソン ソフテイルファミリー FATBOY/114 全 20 枚 拡大写真

大きな段差を乗り上げる度に突き上げを食らうことになるから「スピードはほどほどに」というのが、これまでのハーレー・ソフテイルモデルだったが、新型はその心配が要らない!

アメリカ・ロサンジェルスのライダーたちに人気のワインディング、通称「エンジェルス・クレストハイウェイ」を経て、さらにレイク・アローヘッドという標高約1500メートルにあるリゾート地までの山岳路を2日間かけて往復300マイル(約482km)を走っての感想だ。

新しいソフテイルモデルはいずれもコーナリング性能を飛躍的に向上している。

1990年のデビュー以来、ラインナップに欠かせぬ人気機種となっている『ファットボーイ』もそれは顕著。剛性を65%も向上した新設計メインフレームをはじめ、モノショック化したリアサスペンションと、新装備のデュアルベンディングバルブフォークのおかげで、路面追従性に優れる足まわりとなって、乗り心地、スポーティさ、安定感、そしてエンジンパワーも含め、すべてにおいて従来型を凌ぐ。

空冷Vツインエンジンは2つの排気量を設定し、スタンダードの107ci=1745ccでも凄まじいほどのトルク感。資料には0-60mph(96.56km/h)加速は10%、5速での60-80mph加速(128.75km/h)は16%向上したとあるが、体感的には鼓動感もパワフルさもひとまわり大きい印象で、ダッシュが鋭い。

上級版の114ci=1868ccだと、さらに輪をかけて力強い。マフラーが奏でる排気音も迫力を増すが、エアクリーナーもエレメントが剥き出しになったものに換装され、吸気音までもが逞しい。新車が積むノーマルエンジンとは思えない、マッチョなファットボーイに相応しいカスタムモーターとなっている。

見た目も変わって、ボリューム感のあるナセルカバーと一体となった異径LEDヘッドライトが、ダークで不良っぽい。

ただし、前後足まわりをディッシュホイールとした筋肉質なスタイルを受け継ぎ、ダイナミックなボディであることは変わらない。

あえて160mmもの幅のあるフロントタイヤを履き、ヘヴィなハンドリングを演出し、後輪も240mmという超ワイドタイヤで、弾丸の如く突き進む直進安定性を獲得。

コーナーへの苦手意識は払拭しているものの“らしさ”は健在で、マッチョな大排気量クルーザーを豪快に走らせる痛快さは失っていない。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  3. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  4. 『GRカローラ』『フリード』『ソリオ』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が適合
  5. ホットハッチの名車『205 GTi』の再来、『E-208 GTi』にSNS興奮!「ヤバいホイール」などデザインにも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る