【インプレッサ STIパフォーマンス 試乗】“普通のインプレッサ”の素性を活かすという新アプローチ…諸星陽一

試乗記 国産車
インプレッサ STIパフォーマンス
インプレッサ STIパフォーマンス 全 13 枚 拡大写真

スバルのモータースポーツを支えるワークスであるSTI(スバルテクニカインターナショナル)では昨年登場した現行『インプレッサ』をベースとした「STIパフォーマンス」を登場させた。

【画像全13枚】

ベースとなったのは「インプレッサスポーツ 2.0i-Sアイサイト」。試乗車のエクステリアはフロントアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、リヤルーフスポイラー、ドアハンドルプロテクターを装着。内装関係ではエンジンスタートスイッチがSTIデザインのレッドのものに交換されている。サスペション関係は変更を受けていないが、ボディのポテンシャルアップを目指してフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナー、ラレラルリンクセットが装着される。ホイールはSTIの17インチに変更、合わせてホイールナットも交換されている。

STIというとラリーフィールドやニュルブルクリンク24時間レース、スーパーGTなど厳しいモータースポーツの場での活躍が目立つ存在だけに、さぞかしハードなクルマに仕上がっていることだろうと思われがちだが、この「STIパフォーマンス」に限っては、乗り心地をまったく損なうことなくハンドリングの正確さなどをアップした非常にまとまり感のいいクルマに仕上げられている。

フレキシブルタワーバーはストラットタワーバーのセンター付近のゴムでカバーされている部分をピロボールリンクで結合したもので、軸方向の入力に対しては剛性を発揮、それ以外の上下方向や前後方向の入力に対してはしなやかに動く特性を持たせたもの。フレキシブルドロースティフナー、ラレラルリンクセットはリヤサスペションの取り付け剛性アップとスムーズな動きを目指したもの。

走った感覚は全体としてのまとまり感が向上していることと、ステアリングを切った際の動き出しのシャープさが向上していることが特徴。走り出しからなんとなくカッチリした印象を受けるが、ステアリングを切っていくとその印象はさらに強くなる。ステアリング操作に対するタイヤの反応がよく素直でシャープな印象。普通こうした特性がでるようにチューニングすると、乗り心地も硬くなってしまうのだが、フレキシブルタワーバーは軸方向以外の動きに自由度を持たせているので、適度な逃げが存在し乗り心地に硬さを感じることはない。リヤに取り付けられたフレキシブルドロースティフナー、ラレラルリンクセットのおかげでリヤタイヤの追従性も良くコーナリングの安定感は高い。

STIとしては初とも言えるこうした普通のクルマに対する普通の性能のアップだが、そのアウトプットはねらい通りのポイントを押さえている。ハードなチューンアップではなく、インプレッサそのものが持つ素性を高めることを求める方にはぴったりのチューニング手法と言える。

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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