二輪車産業政策ロードマップの柱の一つである「2020年、国内市場100万台」の目標について、BLF(バイク・ラブ・フォーラム)は、その達成方法を見直す。
BLFは、日本自動車工業会、全国オートバイ組合連合会など二輪車関係8団体と地方自治体など関係行政で構成され、産業育成や環境改善の課題を話し合う会議体だ。ロードマップは初めて官民共同で策定した二輪車産業の成長戦略で、国内、海外、ユーザー向けの大きく3つの目標があり、100万台は国内市場向けの目標と柱だ。
ただ、国内市場はロードマップ策定時の2014年から16年まで、約42万台から約34万台と減少傾向にある。17年見込みでも、有効な歯止めがかからない状況にある。
経済産業省自動車局の高橋一幸課長補佐はこの傾向について16日に群馬県前橋市で開催された第五回のBLFで次のように述べた。
「二輪車の販売台数は減少基調ではあるが、原付2種(排気量125cc)以上については、減っていない。むしろ上がっているぐらい。減少の要因は原付(排気量50cc以下)。原付バイクと大型バイクはユーザーの求めるものが違うので、より緻密にきめ細やかにやっていくべきではないかという声が、BLFの中では出ている」
さらに、100万台の上限を求める施策を修正。BLFは、減少幅の大きい50cc原付バイクの対策に集中していることを語った。
「今年6月にBLFワーキンググループを設けて、(国内市場活性化の)あり方をクラス別に考えたほうがいいのではないかということを含め、議論を開始している。団体のしがらみを外した上での意見出し、アイデア出しを月1回のペースでやっている」(高橋氏)
BLF構成団体の関係者によると、今回の報告は「国内市場100万台」を否定するものではないという。今年のBLFにも出席した日本自動車工業会二輪車特別委員長・柳弘之ヤマハ発動機社長も、「ハードルは非常に高いが、目標は一つの思いとして、100万台の目標を維持したまま、市場の活性化などを引き続き取り組んでいきたい」と、国内市場100万台目標を堅持する方向を変えていない。
ワーキンググループでは、子供に対してストライダー(子供自転車)のブームをミニバイクや原付につなぐ可能性、移動距離が長いほど便利な原付の訴求、公共交通機関より安い経済性の分析、シェアリングによる利用促進などの検討案が出ているが、実需に結び付く対策となるまでには至っていない。