【フランクフルトモーターショー2017】アイシングループ、高まるクルマの電動化に向けて3分野を次世代開発の核に定める

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アイシングループを代表し、フランクフルトモーターショー会場で事業報告をするアイシン精機の伊原保守社長
アイシングループを代表し、フランクフルトモーターショー会場で事業報告をするアイシン精機の伊原保守社長 全 8 枚 拡大写真

アイシングループ6社(アイシン精機、アイシン高丘、アイシン化工、アイシン・エィダブリュ、アイシン・エーアイ、アドヴィックス)はフランクフルトモーターショー2017に出展。一般公開に先駆けた9月13日、アイシン精機の伊原保守社長がグループを代表して事業報告を行った。

アイシングループでは、欧州で初展示となる「高容量FR用10速AT」、「高容量マルチステージ ハイブリッドAT」をはじめ、最新の「FF用8速AT」や「高容量FF用6速MT」など各種トランスミッションを出展。また、欧州市場でも注目が集まっている「電動化」や「自動運転」に関連する製品やシステムについても紹介し、今後要求が高まる“クルマの電動化"を支えていく製品・技術を訴求していた。

伊原社長が報告した要旨は次の通り。

アイシングループは世界20カ国で「パワートレイン」「走行安全」「車体」「情報・電子」の4つの事業の開発・生産を行い、サプライヤーとして世界第6位の規模にある。今後はこの既存事業の再編をすることでさらなる既存事業の競争力アップに取り組んできた。マニュアル トランスミッション事業の競争力強化やブレーキ事業の最適な生産体制の構築を進めるほか、ピストン事業では世界トップ3のアート金属工業を子会社化し、同分野での世界ナンバーワンの競争力を目指したい。

トランスミッション事業では、マニュアル/オートマチック/CVT/ハイブリッドまですべてのラインナップを持つ世界ナンバーワンのメーカーとなっている。2017年にはFR用10速ATやFF用8速ATを投入。これによって約1150万台になる計画で、今後も需要拡大に応えられる開発・生産体制をさらに拡充していく。

次世代に向けた技術開発も積極的に取り組んで行く。アイシングループでは「ゼロエミッション」「自動運転」「コネクティッド」の3分野を次世代開発の核となる開発領域と定めて集中していく。

まずゼロエミッションを目指した「電動化」と「EV/FCV」について。グループでは10年以上前からトヨタ自動車と2モーターハイブリッドの共同開発して製品化してきたが、今年は世界初のFRマルチステージ ハイブリッド トランスミッションを市場投入。今後はATに1モーターを組み合わせた「1モーター ハイブリッドユニット」の早期投入を図っていく。さらに、EV/FCVに向けたモーターやインバータの開発も加速させる。

続いて「自動運転」について。グループでは既に様々なシャシー関連製品を開発してきたが、これらの技術を融合・高度化させた「車両運動統合制御」によって自動運転に貢献していく。「走る・曲がる・止まる」を支える技術によって、誰が乗ってもスムーズで心地良い安全・安心な自動運転を実現していきたい。特にグループでは2003年に自動駐車システムを世界に先駆けて市場投入した実績を持つ。既にスマホを使って無人で駐車できるリモコン駐車の開発を完了。今後は車両制御に加え、インフラ協調による専用駐車場での完全無人「自動バレー駐車」を実現したい。

3つめの「コネクティッド」について。グループが考えるコネクティッド技術は「おもてなしサービス」と「位置情報活用サービス」に集約される。前者ではドライバーモニターなどの乗員センシングによって得た情報や、クラウドに蓄えた個人の嗜好データをもとに、乗員の気持ちに寄り添ったサービスを提供。後者ではカーナビで培った位置情報活用技術やコネクティッドカーから収集したビッグデータを使い、運転をサポートする様々なサービス提供する。これによって自動運転のサポートを行っていく。

アイシングループでは、これら3つの分野を次世代開発の核となる技術開発領域として定め、リソースを集中して投入し、研究・開発を進めていく。グループの技術がイノベーションを起こし、人とモビリティの新たな可能性を切り拓いていくことに期待して欲しい。

《会田肇》

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