芋煮はお金を出しても買えない秋の味覚!! 「芋煮会」コミュニケーション

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芋煮はお金を出しても買えない秋の味覚!! 今だからこそ見直そう「芋煮会」コミュニケーション!!
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山形あたりがとくに盛んなようだが、東北地方の秋の風物詩、「芋煮会」はそんな風に言うこともできるかもしれない。この程、クルマ好きの仲間に芋煮会に参加することができた。

秋に東北地方を訪れると、ちょっとしたおうちの庭や、河川敷のようなところで人々が集まって鍋を囲む光景をしばしば見かける。芋をはじめ、地の味覚を煮込んで、味噌や醤油といった味付けは東北地方の中でも地域ごとに様々なのだという。秋に東北地方を訪れて、そんな光景を見ると、秋だなと思うものである。

そして同時に、機会があれば参加してみたいとは思うものの「参加したい」と意思表明をしたからと言って、参加できるものでもない。何か地元のコミュニティの中で誘ってくれる人がいないと参加すること自体がなかなか難しいイベント。芋煮会というのはそんなイベントではないだろうか。

それが今回、たまたまクルマのイベントの前日にクルマ好きが集う芋煮会をするからということで、誘ってくれたので、参加させてもらうことができた。

行楽シーズンということもあって、東北道は交通量多め。そんな中遅れて会場の福島県のエンゼルフォレスト那須白河に到着。すでにほかの参加者の方は楽しまれていて、いも煮の鍋のほか、バーベキューで楽しんでいた。

さっそく鍋に作られた芋煮が振る舞われる。「今回は山形風で、牛肉が入り、醤油味で仕上げています。」この会場となった福島県のものは豚肉でみそ味、豚汁のようなものなのだそうだ。今のように流通や交通の行き来が盛んではなかった時代から、豊饒の季節秋になったら、あるもので鍋を囲い仲間と語らう。日本のコミュニケーションのオリジナルのスタイルなのかもしれない。

味付けに使われた醤油は「味まるじゅう」という銘柄のもので、初めて見たものの山形ではどこでも普通に手に入るモノだという。「どこの家にもたいがいはある醤油です。今回も味付けはこれだけ。調味料としても、醤油としても使うふるさとの味です。」と教えてくれた。一口味見をすると、よくあるだしつゆや調味料入り醤油によくみられる、こってりとした甘さやくどさはなく、あくまでもさっぱりとした旨味が醤油に含まれている印象。後味もよくキレのいい、飽きの来ない旨味だと感じる味わい。初めての味覚だった。

作り方はまず肉を炒め、さっと火を通したら肉を一度上げて、野菜に火を通す。その後煮込むときに再び肉を戻して煮込む。味を調えたら完成。「これが作れない人はいません。そんなに料理をしない人でも簡単に作れます。」とはいえ、根菜など秋の味覚がたっぷり入った芋煮汁の味は、手をかけたかどうかなどどうでもいいと思うほどの旨味が楽しめる。そしてまだ秋はこれから、そんなまだ時期だが、夕方になると冷えてくるこの季節でもありがたい、体の芯から温まる一品に仕上がっているのだ。

芋煮のほか、一緒に焼いたお肉や、持ち寄った食べ物などを食べながら、愛車の話や最近クルマで出かけた場所の事、また珍しいカタログなどを見ながらクルマの話は、時が経つのも忘れるほど尽きないものである。

「お金を出しても食べられませんから。芋煮は。地域によって微妙に変わる味付けで種類が多いのも芋煮の特徴ですが、これをお金を出して買う人はいません。だから売っても売れないのです。なので実は、秋だから芋煮を食べたいと思っても、売っていること自体がとても少ないのです。」どんな地域限定商品も、ワンクリックで一両日中に届く、そんなことも珍しくない現代に、むしろ、現地に行き、その地域のコミュニティに参加しない味わえない。お金を出してもなかなか手に入らない。味覚としても、体験としても実は今最も贅沢なイベント。「芋煮会」とはそういうものなのではないだろうか。

しかしハードルだけ高くて、実現が難しいかと言えばそんなことはない。今回もそうだがバーベキューを楽しめる場所は多いので、そういう場所で一緒にということも可能だろうし、もっと言えば、オリジナルのスタイルは東北地方の文化・風土だろうが、他の地域でも十分楽しめるのではないだろうか。その地域で取れたものを煮込んで、その地域の味で味付けし、その鍋を囲んで語らう。シンプルだが、有意義な時間だった。

今回はクルマ好きの仲間での芋煮会だったが、いろんな気が置けない仲間との語らいは、その共通の話題も料理の一つのようなもの。別の仲間とだとまた別の話で盛り上がるのではないだろうか。

多くのことがネットとITで解決できるかのような現代。それでも実際に会って交流がしたいと思うのが人間なのかもしれない。秋の「芋煮会」は、以前から参加してみたかったのだが、実際参加してみると、そんな昔ながらのスタイルの優位性のようなものを強く感じた。そしてこうしたものを気軽にするのがクルマやバイクといったパーソナルモビリティではないだろうか。

今回会場だったエンゼルフォレスト那須白河なら、宿泊施設やキャンプ場もあり温泉入浴施設も完備されている。バーベキューだけでなく、鍋を囲み夜が更けるまでとっぷり話し込むことが可能だ。人間同志の関係性が希薄になりがちだと言われる昨今。クルマで集う芋煮会は、むしろかつては難しかったコミュニケーションをも可能にする価値を感じたのだ。

皆さんも、いつもの気心知れた仲間、あるいは最近ご無沙汰してしまっている懐かしい仲間を誘って芋煮会をしてみてはいかがだろうか。

《中込健太郎》

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