【川崎大輔の流通大陸】台湾、オークションで変わる中古車流通

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中古車保管ヤード 全 6 枚 拡大写真

台湾で中古車オークションを開催する大手企業、行将の洪総経理にオークションビジネスの現状について話を聞いた。

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◆台湾、行将企業とは?

行将企業は、2000年8月に設立された。台湾の日産自動車のパートナーである裕隆(ユウロン)汽車グループのオークション会社だ。現在、120名ほどの従業員がおり、設立から2017年8月までの累計出品台数は23万台。台湾におけるオークションシェアでトップとなる。台湾の本社の周りにある車輌の保管ヤードを訪問すると、所狭しとオークション出品用の中古車が並べられていた。

オークションは毎週2回、水曜日と金曜日に開催される。出品車の詳細は、行将ウェブサイトから各車の評価シートとのダウンロードとともに確認することができる。1回のオークション開催で出品台数は水曜日が800台から1000台、金曜日は600台から750台、年間で2万台ほど。落札価格は日本円で100万円前後、ボリュームゾーンは3年から8年の車輌となっている。平均成約率は36%で、落札ができなかったら場合は、値段を下げて次回のオークションに再出品をする形が一般的だ。

◆台湾のオークション業界規模

台湾での中古車の登録台数は66万台で、年間のオークションでの取扱台数は4万6,000台(7%)となっている。登録台数とは中古車の所有権登録の回数(新規登録・移転登録・名義変更の3業務合算の数)を指す。しかし、中古車登録台数は最終消費者であるエンドユーザーへの販売台数を表すものではない。そのため実際の中古車小売台数になれば名義変更回数の考慮が必要だ。

一般的に中古車は最終消費者であるエンドユーザーに届くまでの流通過程において、重複した名義変更がなされる。つまり中古車の登録台数とは、名義変更があるたびにカウントされ、実数よりも大きくなる。日本でも実際の中古車小売台数を正確に把握することは難しい。エンドユーザーへの販売台数は中古車登録台数の2分の1程度といわれている。台湾も日本に準ずると仮定すれば、オークション業界規模は中古車流通の14%程度となる。

◆変化する台湾の中古車流通

洪総経理は「オークション開始当時のメジャーなオークションへの出品者は金融会社のレポ車(引揚車輌)でしたが、リーマンショック以降、中古車ディーラーへシフトして中古車流通が変化しました」と語る。

行将では2000年から2006年の中古車ディーラーからのオークション出品はわずか10%(90%がレポ車・リースアップ車)であったが、2010年から2017年には中古車ディーラーからの出品が65%と急増している。現在オークションにくるバイヤーも中古車ディーラーが90%とほとんどを占めている。

昔の日本の中古車業界もブローカーネットワークの大きさと質が中古車ビジネスの強みとなっていた。そのためオークションは、ネットワークが軟弱な新参者が行くところというイメージがあった。

台湾の中古車市場におけるオークション流通のシェアはまだ大きくはないが、中古車オークションが中古車ディーラーによる取引の場として活用され始めてきている。つまり、台湾の中古車流通が、ブローカーを活用したものから徐々にオークションを活用した流通へシフトしてきている。変化の兆しを感じる。

◆台湾におけるオークションビジネスの展望

「台湾の自動車市場はまだ成長の余地がある市場です」と洪総経理は語る。台湾の交通部(交通省)が発表した統計では、2016年の新車販売台数は43万9629台(前年比4.5%増)に達して、過去11年で最高になった。政府は税金を優遇して自動車の買い替えを促す政策を実施し始めたため消費者の間で新車を買う動きが広がった。

今後もこの業界関係者は、新車の好調な販売が続くとみている。中古車市場規模は新車販売台数が先行指数となっている。長期的には台湾の中古車発生量が増加していく。

台湾の1000人あたり保有台数は日本の約600台に対して約300台と半分。自動車の拡大にまだ伸び代がある。台湾の中古車オークション流通は変化の時を迎えている。

<川崎大輔 プロフィール>
大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

《川崎 大輔》

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