【CEATEC 2017】配送業者向けコネクテッド機能つき3輪電動バイク

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コネクテッド電動3輪バイク(CEATEC 2017)
コネクテッド電動3輪バイク(CEATEC 2017) 全 5 枚 拡大写真

デジタコやGPSデバイスを利用したバス・トラック・営業車の運行管理システムは珍しくないが、超小型モビリティのベンチャー企業が通信事業者とのアライアンスで、しかも3輪バイクで参入という事例を発見した。

E・ミニモという神奈川県の会社が開発した超小型モビリティは、3輪のフル電動バイク『BATORA03』。リチウムイオンバッテリーを搭載し、後ろ2輪がインホイールモーターという構成で、最高速度は45km/hに設定されている。充電時間は3.5時間ほどで航続距離はおよそ60km。回生ブレーキは3段切り替えでエンジンブレーキのように使えて、坂の多い地域でもバッテリーの消耗を抑えることができる。重量は143kgとそれなりの重さだが、定格出力500Wの2つのモーターにより、80kgのライダーが40kgの荷物を積んで箱根の山を登る能力があるという。

もうひとつの特徴は、リアサスペンションだ。インドネシアなどで使われている3輪バイクのように、フレームからハの字に広がるスイングアームに車輪(インホイールモーター)が取り付けられているのだが、ヤマハのLMWのようなリンク機構でつながっている。そのため、コーナリングや段差でも左右の駆動輪が均一に接地する。

さらにGPS、通信モジュールを搭載しているれっきとした「コネクテッドカー」だ。通信機能は、配送業者などの運行管理を想定したもので、大阪のケーブルテレビ事業者大手のケイ・オプティコムが提供するクラウドサービスを利用して、バイクの位置や走行状態などを把握、記録できるようになっている。運行管理サービスの契約は別となるが、バイク便、宅配、警備会社、レンタルバイクなどへの応用が可能だ。

将来的にはカメラや生体認証キーなどを導入する予定だ。

じつは、このような小型モビリティや電動バイクの需要は中国、インド、アジアに多く、BATORA03も最初の市場投入はネパールからだという。山岳地帯が多いネパールでは中国製の電動バイクだと坂を登らないそうで、BATORA03の性能が評価されたという。

コネクテッドカーというと、メーカーがクラウドインフラやネットワークを自前で用意し、大掛かりなサービスのものが多いが、タクシーなど旅客運送業が導入している運行管理システムは、GPSと通信モジュールだけで手軽に導入できるものが増えている。同じ技術がバイクに適用できない理由はない。オープンプラットフォームやサービスプロバイダーを活用して、ベンチャー企業の既存市場への参入をしやすくするのもIoTの特徴のひとつと言えるだろう。

《中尾真二》

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