【メルセデスベンツ S560 試乗】V8の許容力、包容力は桁違いなのだ…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ S560
メルセデスベンツ S560 全 4 枚 拡大写真

「Sクラスは、いつの時代も世界の指標とされてきたフラッグシップモデル」。プレスインフォメーションにこう書かれたクルマに、★5つ以外の何をつければいいものやら。そう思いつつ、日本の道で走るには大きいよね、平均的収入では手が出ないよねという言い訳を無理やり唱えながらオススメ度は★3つ。そんな文句を言う層は相手にしていないのはわかっているのだけれど。

試乗車は、V8ツインターボを搭載した4WDである。V8といっても、どろどろ+ぶおん×2という悪ガキ系ではなく、地の底から轟くような余裕たっぷりに洗練されたエンジンサウンド。これを9速ATでなめらかに制御し、かつ、シフトダウンの減速Gは、ボディ剛性とサスペンションが一体となり懐の深い受け止めっぷり。ドライバーにかかるストレスは限りなく少なくなるよう制御されている。

こうして自分でハンドルを握っているときも安心感を十分に感じるものの、運転支援機能のアクティブレーンチェンジアシスト(ウィンカーひとつでクルマが周囲の状況を確認して車線変更を完了する)のときに伝わる安定っぷりといったらない。勝手に動くとクルマの挙動が違和感へとつながるものだけれど、違和感まったくなしの安心感なのである。今回は、「S400」の、V6ツインターボにも試乗する機会があり満足感にひたったのだが、その直後にV8に乗ったら、ああ、やっぱりこっち!と、舌の根の乾かないうちに意見変更である。V8の許容力、包容力は桁違いなのだ。

今回は、外から駐車できるリモートパーキングシステムが採用されている。スマホを使って、画面をくるくるとなでるようにまわすとクルマが動くというもの。BMWの『7シリーズ』は、キーにあるスイッチを押し続ける、というシステムを採用しているけれど、いずれも、うっかり手から離れたときに勝手にクルマが動き続けないように安全システムが働く仕組みになっている。どちらが使いやすいかは好みの問題なのだが、今回試乗した日は、どぴーかんの昼間で、スマホ画面がよく読めない状況。明るさの自動調節機能はついているはずなのだが、それでも、日陰を探して右往左往してしまったので、スマホ側の問題とはいえ、もう少し見やすくなるといいと思った次第。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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