【WEC 第7戦 富士】走行前日、各チーム着々と準備進行…注目は4連勝中のポルシェvs母国5戦4勝のトヨタ

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ピットワーク練習をするポルシェLMPチーム。
ピットワーク練習をするポルシェLMPチーム。 全 16 枚 拡大写真

世界耐久選手権(WEC)第7戦「6 HOURS OF FUJI」の開幕を翌日に控えた12日、静岡県の富士スピードウェイでは各陣営が走行に向けての準備を進めた。ポルシェ対トヨタの当面最後となる富士でのLMP1-Hマシンバトル、その行方に大きな注目が集まる3日間(13~15日)となる。

会期中の天気予報があまり良くないなか、この日午後の富士の空は曇り。いい予感のする空模様ではなく、来日したWEC参戦各チームのスタッフたちが空を見上げながら心配そうな表情で話し合う姿も散見された。現時点ではレインタイヤの登場必至という雰囲気が強い。

全9戦の今季WECはここが7戦目。最高峰LMP1-H(Hybrid)クラスマシンで覇権を争う2大ワークス、ポルシェ対トヨタの戦いはここまでトヨタ開幕2連勝、その後はポルシェが4連勝中というコントラスト明確な流れになっている。ポルシェのドライバー、マニュファクチャラーの両タイトル独占3連覇も濃厚。

ポルシェLMPチームは、ピットワークの練習も精力的に重ねていた。タイヤ交換や給油、ドライバー交代というルーティン的な内容だけでなく、接触等があった際に備えてフロントセクションやリヤセクションを交換する場合の練習もこなし、準備を整えていた。2年ぶりの富士勝利に向けてぬかりなし、という印象の王者陣営だ。

ただ、富士に関してはここを母国戦とするトヨタが高相性を誇る。毎年マシンの状況が規則的な面も含めて変わってきているというのに、この伝統は崩れていない。2012年の現行WEC初開催から3年連続優勝、昨年16年も勝って5年で4勝と、トヨタはアウディが参戦していた頃から富士を大得意としているのだ。

今季もここまでの流れから見る限り、目下4連敗中で総体的には旗色良くないとはいえ、富士のコースでは“ポルシェと戦える度”が増しそうな気配がトヨタにはある。ポルシェは今季を最後にLMP1撤退を決めており、ポルシェ対トヨタの頂上対決は当面今年が最後。ポルシェのシーズン5連勝を阻止して、トヨタが当地連覇、6年で5勝とするか、やはり最大の注目点だろう。

エントリーは26台。プロトタイプはLMP1(LMP1-H)が4台、LMP2が9台で、GTマシンはLMGTE-Proが8台、LMGTE-Amが5台という内訳になる。タイヤはLMP1がミシュラン、LMP2がダンロップで、LMGTEは両社の混走。

ドライバー編成はLMGTE-Proが2人組で、他は3人組となっている。日本からはLMP1のトヨタに乗る小林可夢偉(#7)と中嶋一貴(#8)、そしてLMGTE-Amのフェラーリに乗る澤圭太(#61)の3選手が通年参戦中だ。トヨタ勢はもちろん、今季クラス優勝を経験している澤の母国戦力走にも期待したい。

走行初日の明日(13日、金曜)は11時~12時30分と15時30分~17時の2回、計3時間のフリー走行が予定されている。まずはポルシェ、トヨタの両陣営が互いに相手のペースも探り合いつつ、高度接戦をスタートさせることになるだろう。

《遠藤俊幸》

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