テスラ対抗なるか…ボルボ傘下のポールスター、第2・第3のEVモデル計画

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ポールスター1とポールスターのトーマス・インゲンラートCEO
ポールスター1とポールスターのトーマス・インゲンラートCEO 全 8 枚 拡大写真

ボルボカーズ傘下でEV専門メーカーとして独立した「ポールスター」が10月17日、市販第1号車となる高性能プラグインハイブリッド車(PHEV)『ポールスター1(ワン)』を中国・上海で世界初公開。さらにポールスター1に続く第2、第3のモデルの計画を明らかにした。

レーシングチームに端を発するポールスターは、2015年7月にボルボカーズの傘下に入り、近年ではボルボの高性能車やソフトウェア、パーツの開発を手がけていた。今年6月、ポールスターを独立させ電動車両に特化したブランドとすることを発表、さらにボルボブランドの電動車両の共同開発もおこなっていくとしている。

各国の環境規制の強化や、VWによるディーゼル不正問題などを受け電動車両の普及促進に向けた動きが加速している。ボルボの本体、吉利ホールディングスのお膝元である中国でも、自動車メーカーに対し電気自動車(EV)をはじめとする新エネルギー車の生産・販売を2019年より全体の10%、2020年には12%とするよう政府が号令をかけており、ボルボはポールスターとのタッグでいち早く電動化の動きに対応する。

ボルボは2019年より全車両を電動化、2021年までに5台のEVを発売するとしているがこのうちの2台が、今回明かされたポールスターによる第2、第3のモデルとなる。
ポールスター1に続く第2・第3のモデルを予告したポールスター
今回初公開となったポールスター1は2019年中旬頃に導入される計画。2000万円程度と予想されている高価なスポーツカーであることもあって、生産台数は最大で年間500台程度と、販売への影響は軽微。だがこれと時をほぼ同じくして、ボルボグループとして完全EVである『ポールスター2』が、2019年末までに生産を開始することが発表された。明確な台数計画は現段階で示されていないが、「ポールスター1よりも多くの台数を生産する」としており、これが普及に向けた本命と見ることができそうだ。

上海でおこなわれた今回の発表会ではポールスター2のシルエットが公開されたのみであったが、ポールスター1よりも小型のミッドサイズEVになるとしており、EV専売ブランドとして先行するテスラの『モデル3』に競合するモデルとなることが予想される。

そして投入時期は未定ながら、続く第3弾となる『ポールスター3』も控えていることが明かされた。現在、デザインの最終段階にあるそうで、ポールスター2よりも大型のSUVタイプの完全EVとなる。生産台数、価格はポールスター1とポールスター2の間に位置づけられることになるという。

ボルボカーズは吉利ホールディングスとジョイントベンチャーを設立し、ポールスターに対し6.4億ユーロ(約844億円)の開発支援をおこなうほか、中国での生産拠点整備を進めている。また2019年の第1四半期には、ポールスターの専売店「Polestar Space」のオープンも計画。車両の注文はアプリやサイトでおこない、実店舗はロードサイドではなくブランドショップが立ち並ぶ繁華街に立地させるなど、ボルボとしては新しい販売への取り組みもおこなっていく。ポールスターはテスラの対抗馬となり得るのか、まずはポールスター1の反響が期待される。
ボルボカーズ ホーカン・サムエルソンCEO

《宮崎壮人》

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