【東京モーターショー2017】自動運転に向けた三菱電機の技術が集まる『EMIRAI4』に注目する

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自動運転に向けた三菱電機の技術が集まる『EMIRAI』に注目する
自動運転に向けた三菱電機の技術が集まる『EMIRAI』に注目する 全 6 枚 拡大写真

モーターショーの魅力は、各メーカーの“今”を知ることができるのはもちろん、今後のクルマやそこに採用される技術がどんなものなのか、そしてそれによってどんなクルマ社会やカーライフが可能になるのかを想像するのが楽しい。

前回のモーターショーで三菱電機は、運転支援系コンセプトカー『EMIRAI3 ×DAS』と予防安全コンセプトカー『EMIRAI ×AUTO』を発表し、いまはその『×AUTO』で自動運転の実証実験が進められているという。ではその先は? というのが今回の注目点。東京モーターショー2017の開催を前に、三菱電機のコンセプトカー『EMIRAI4(イーミライ4)』についてお話をうかがうことができた。まだ正式版ではないプロトタイプということで変更はあるかもしれないけれど、現状でもかなり見どころ、触れどころに手応えアリだという。段階的に様々な技術開発が求められるのは想像の範疇。今回、三菱電機が一台のコンセプトカーで紹介するのは2020年以降に登場する自動運転レベル3を見据えた、『“電動化”と“自動運転”、そして“コネクテッド”によって実現する未来のクルマ社会』。ドライバーが運転することもあれば、高速道路などではハンドルを握らずに移動ができるシチュエーションも想定した技術やデザインの紹介になるようだ。

◆三菱電機の技術が集結。そこから見える未来とは

三菱電機が提案するクルマの未来。その話は楽しく熱く進んでいった

《三菱電機が提案するクルマの未来。その話は楽しく熱く進んでいった》

ところで三菱電機と言えば身近などころでは車内の電装品や家電、さらに準天頂衛星「みちびき」までその製品/技術開発の守備範囲は地球規模を超え、宇宙規模にまで及ぶ。今回のコンセプトカー『EMIRAI4』についても、開発は自動車機器開発センターが中心となり、デザインはデザイン研究所、デバイスなどの各技術を先端技術総合研究所や情報技術総合研究所(ディスプレイの映像処理チーム、タッチパネルの制御チーム、またライティングの光学設計チームなど)が、さらにデバイスの機構設計などを担当している三田製作所、電動化製品などを担当している姫路製作所などが1台のコンセプトカーの開発に携わっているのだそうだ。『EMIRAI4』の概要をうかがったのは自動車機器開発センターの古本友紀さんと、デザイン研究所 福高新作さん。

◆未来を見せる『EMIRAI4』の注目技術

三菱電機 自動車機器開発センター 古本友紀氏

《三菱電機 自動車機器開発センター 古本友紀氏》

「EMIRAI4に搭載した3つのディスプレイが今回の見どころ、触れどころとなります」と古本さん。3つのディスプレイとは“ヘッドアップディスプレイ”、“クロッシングディスプレイ”、“ノブオンディスプレイ”の3点。それぞれの具体的な特長を紹介すると以下のようになる。

●AR(拡張現実)対応HUD(ヘッドアップディスプレイ)
まず、ただ目の前に見えるだけではなく、奥行=距離感まで捉えることができるという。ドライバーは落下物と自車との距離感をディスプレイで具体的に認識することができるのだそうだ。悪天候にも有利らしい。

●クロッシングディスプレイ
運転席の前のいわゆるメーターパネルの位置に2枚のディスプレイを“クロス使い”し、奥行き感があり、しかも空中に浮いているような表示を見せてくれるらしいのだ。そこには走行中の情報を様々、表示することが可能だという。この浮いているように見えるって、どんなものなのだろう…。

●Knob-on-display(ノブオンディスプレイ)
いまどきセンターパネルに大型の液晶パネルを採用するモデルもチラホラと増えてきている。三菱電機はその先のアイディアを“その位置”にて紹介。“ノブオンディスプレイ”、そのままのものらしい。ディスプレイの上にいわゆるドアノブなどの“ノブ”的なモノが載る。しかもそれは回せるだけでなく、円弧を描くような操作もできる。タッチパネルのような操作も可能な上が、やはり“ノブ”操作のほうがフィジカル感が得られ、操作に安心感が強まるという。必要な情報はヘッドアップディスプレイへの表示も可能なため、前を向いた状態でブラインド操作も行えるのだそうだ。レストランリストからの選択やオーディオ操作などエンタメ系を中心にその“ノブ”を活用できるらしい。

◆人×生活×クルマ。三菱電機が目指すカタチ

三菱電機産業システムデザイン部 車載情報機器グループ 福高新作氏

《三菱電機 デザイン研究所 福高新作氏》

現段階でもう一つ紹介される予定なのが、“ドライバーモニタリングシステム”だ。これは広角のカメラを採用しているのが“キモ”。運転席/助手席の二人を同時にモニターすることが可能になる。ドライバーのモニタリングは自動運転から手動運転へと切り替える必要がある際に、ドライバーが起きているか(目を開けているか)、また運転中にどこを見ているかを検知。他にも家族など利用者を登録しておけば“顔認証”によって、ドライバーはもちろん、助手席の人の好み(エアコンの温度設定など)やシートポジションなども自動でセットできるようになるという。ほかにも、人と車をつなげるライティング技術が搭載されているらしい。例えば光のおもてなしを体験出来るそうだ。また、EV充電の非接触化や、EVがルート検索を行う際、電費(消費エネルギー)を計算したルート計算やナビへの設定までを行えたり、クラウド上に記録しておいたスケジュールに基いたルート設定などを“ドライバー認識”によって、自動的に行えるようにもなるらしい。
東京モーターショーで三菱電機が展示する『EMIRAI4』の外観イメージ

《東京モーターショーで三菱電機が展示する『EMIRAI4』の外観イメージ》

「デザインはSUVベースで手がけました。トレンドを意識しているのはもちろん、この先、自動運転が普及して今まで行かれなかったところや、街中でしか運転をしていなかった方たちももっとアクティブにクルマを利用してほしいという思いも込めています」とデザイナーの福高さんは語ってくれる。

◆進化を続けて未来を提案する『EMIRAI』

自動車ジャーナリスト 飯田裕子氏

《自動車ジャーナリスト 飯田裕子氏》

ところで三菱電機がモーターショーに向けて最初に製作した『EMIRAI1』(2011年)は、まだドライバーに向けたコクピットまわりの展示だった。すでに様々な情報が大量に得られる時代の到来を感じていた当時、その情報をドライバーに向けていかに効率よく整理して発し、表示するか、そしてドライバーが操作を行うのがよいかに注力していたという。それが2年前になると自動運転を意識した運転支援に紹介が中心となり、今回の内容へと時代とともに、その先をゆくコンセプトも変化しているのがわかる。自動化や電動化が急激に進んでいるのは間違いない。

「ノブオンディスプレイはドライバーもパッセンジャーも使えます。ドライバーモニタリングシステムもドライバーのみならずパッセンジャーもモニターできる。これからはパッセンジャーも車内で一緒に新しい技術をシェアできるような、そんな時代になるでしょう」と古本さん。

実際の展示とデモンストレーションについては、このSUVタイプを2シーターモデルでデザインし、目の前には75インチという大型のモニターを3枚繋げ、走行シーンをイメージしながら体験ができるのだとか。次回(後編?)ではモーターショーに先駆けてプロトタイプのデモンストレーションを体験するべく、再び三菱電機さんにオジャマする予定。東京モーターショー2017の三菱電機ブースでどんな体験ができるのか、ひと足先にご紹介させていただく予定です!
◆三菱電機東京モーターショー特設サイトはこちら◆

《飯田裕子》

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