「WEC富士6時間」決勝日の熱戦がTOYOTA GAZOO Racing公式サイト内、WEC富士特設ページ「ギュギュッとダイジェスト、WEC富士!」で視聴可能

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優勝したトヨタ8号車をチームスタッフが迎える。
優勝したトヨタ8号車をチームスタッフが迎える。 全 8 枚 拡大写真

10月13~15日に富士スピードウェイで開催された世界耐久選手権第7戦「6 HOURS OF FUJI」において、TOYOTA GAZOO Racingは5戦ぶりの優勝を1-2フィニッシュで飾った。それは強敵ポルシェを相手に荒天のもとで得た、価値の高い1-2であった。

荒天のなか3日間計5万1000人の観衆が訪れた母国戦で、意地を示したその模様は、即日ダイジェストムービー化されており、現在もTOYOTA GAZOO Racing公式サイトで見ることができる。

レース前のトヨタ:中嶋一貴、ポルシェ:アンドレ ロッテラーのインタビュー含め、合計4本が掲載。スタート~ゴールまで、レース全てがまとまったvol.4では、見どころが約4分間に凝縮され、ポルシェとの緊迫したせめぎ合いから、トヨタ歓喜の瞬間まで、当日の白熱したレース展開を臨場感たっぷりに楽しむことができる。

レース当日に続々と公開されたので、その日の内にご覧になった方も多いのではないだろうか。まだ見ていない人や、現地やテレビ中継で見た人も含めて、多くの人に見ていただきたい。

「WEC富士6時間」決勝日の熱戦がTOYOTA GAZOO Racing公式サイト内、WEC富士特設ページ「ギュギュッとダイジェスト、WEC富士!」で視聴可能
http://toyotagazooracing.com/jp/wec/special/2017/wec-fuji-digest-movie.html

「FIA世界耐久選手権」(WEC)は、耐久レースの世界最高峰シリーズ。その最上位クラス「LMP1-H」においては、自動車メーカーのワークスチームがハイブリッド技術を駆使したプロトタイプマシンで高次元バトルを展開する図式が続いてきた。2012年の現行WEC発足以降、まずはアウディ対トヨタで始まり、やがてポルシェが加わっての3極構図に。そして昨季限りでのアウディの活動終了に伴い、2017年は「ポルシェ919 Hybrid」対「トヨタTS050 HYBRID」の真っ向勝負のシーズンとなっている。

全9戦の今季はトヨタの2連勝で幕を開けた。しかし第3戦、シリーズ最大イベントであるル・マン24時間において、速さでは上回りながらもトヨタが敗れたところから潮目が変わる。第4~6戦をポルシェは1-2で制し、ル・マンを含めて4連勝。トヨタはドライバー、マニュファクチャラーの両部門シリーズタイトルを3年ぶりに奪還することを狙っていたが、その可能性は厳しいものとなった。

そして迎えたのが第7戦富士である。WECを戦うTOYOTA GAZOO Racingは、ドイツ・ケルンのTOYOTA Motorsport GmbH(TMG)と日本の東富士研究所の両輪体制。この地元戦でのポルシェの2冠獲得決定をなんとしても阻止し、5月の第2戦以来となる勝利を手にする、すべてのチームスタッフがその思いで富士に臨んだ。

◆雨に見舞われた母国戦
優勝を飾った#8 トヨタTS050。
練習日~予選日~決勝日と3日間とも雨に見舞われたなか、2人のドライバーのベストタイム平均で順位が決まる予選ではポルシェが1-2をかためる。しかし3位となったトヨタ8号車(S.ブエミ & A.デビッドソン & 中嶋一貴)も僅差だ。中嶋一貴は予選後、「トラフィック(渋滞)に引っかからなければ、ポールポジションを獲れたと思います」と手応えがあった旨を語った。

中嶋はさらに、「少なくとも今季後半(第4戦以降)のなかで一番ポルシェに近いところにいることは確かですし、ドライコンディションで勝負できた方が僕たちにとっては良かったんじゃないか、とも思います。もちろん実際にやってみないことには分からないですけどね」とも語っている。今季これまでのコース適性的な部分から、富士ではトヨタが再びポルシェと戦えるマシンパフォーマンスを発揮できる、との観測は戦前からあった。互角どころかやや上、という感触さえも中嶋は感じ取っていたようである。

決勝6時間レースは雨と霧の影響でセーフティカー(SC)出動やフルコースイエローが相次ぎ、赤旗中断も2度という混乱した展開になった。ピット戦略も通常とは異なる狙いでの運用を強いられたわけだが、そこでトヨタ陣営が意識したのは「トラックポジション優先」(中嶋談)。いつレースが終わるか分からない状況下においては、WECらしい先読みの戦略展開よりも、コース上での見た目の順位をなるべく上位に保ち続けることを優先で、ということだ。

この適切な判断が最終的に活きる。レースは残り1時間半の時点で2度目の赤旗中断となり、結局そのまま終了に。トヨタの2台はポルシェ1号車(N.ジャニ & A.ロッテラー & N.タンディ)と三つ巴の優勝争いを展開していたが、この時点で他の2車よりピット回数が1回少ない中嶋らの8号車は首位、つまり優勝を果たすことになったのだ。しかも7号車(M.コンウェイ & 小林可夢偉 & J-M.ロペス)が2位につけており、母国戦1-2フィニッシュ達成である。

◆「富士こそは勝つ」という想い
2位の#7 トヨタTS050と、3位の#1 ポルシェ919。
トヨタ勢の2台はレース途中からピットタイミングが異なっていた。7号車にワイパーのトラブルがあったことから、これへの対処を含めての流れだったと見られるが、そこをうまく機能させた結果ともいえよう。

2度目の赤旗中断時、首位のトヨタ8号車には「SCラン5周分くらいしか燃料が残っていませんでした」(中嶋談)。レースが再開されれば8号車は即ピットインが必要となり、実質的な残り時間次第では7号車と1号車はもうピットしなくてよくなる可能性も考えられただけに、中嶋も「最後はちょっと(8号車には)ラッキーでした」と振り返る。

ただ、仮にそういう状況になったとしても、小林可夢偉らの7号車がポルシェ1号車を直接に下して、トヨタとしての勝利を譲らなかった可能性もまた高い。中嶋は「水の量が多い状況では、我々の方が速かったですね」とも語る。レース残り2時間12分ほどのタイミングで迎えたSC明けのリスタート周には、トヨタの2台がポルシェ1号車を続け様にパスしていくシーンもあった。このレースでのポルシェはタイヤのウォームアップに苦慮していたことが陣営の談話からも明らかになっており、(雨量の状況が向いたという運も含めて)トヨタがマシンアドバンテージを築いていたことは確かといえた。

ドライでの正真正銘のパフォーマンス比較はできなかったが、少なくとも雨の富士では互角以上に戦えることを示して強敵ポルシェ勢に先着、彼らのマニュファクチャラーズタイトルとポルシェ2号車クルー(T.ベルンハルト & E.バンバー & B.ハートレー)のドライバーズタイトル決定をトヨタは阻止した。予選ではマシンの感触が良くなかった7号車も立ち直っての1-2達成というところで、その価値はさらに輝きを増す。
表彰台では7号車の小林可夢偉(右端)らも加わり、トヨタ1-2を祝う。
勝った中嶋はこうも言っていた。「富士こそは勝つと言って(チーム全体で)やってきたなかで、それが達成できて良かったと思います。去年できなかった1-2もできましたしね」。そしてドライでの勝負だったとしても、まともに戦う以上のことができたはず、その思いもまた、彼はあらためて付け加えている。

これでWEC富士戦は連覇で6戦5勝、富士に強いトヨタという伝統も維持された。

次戦の第8戦は11月3~5日に行われる上海6時間レース。富士の勢いそのままに、今シーズンを戦い抜いてほしい。

参考)TOYOTA GAZOO Racing公式サイト内 WEC富士特設ページ
http://toyotagazooracing.com/jp/wec/special/2017/wec-fuji.html

《遠藤俊幸》

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