【スバル BRZ STI Sport】STI Sportの2台目が登場

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スバルBRZ STI Sport
スバルBRZ STI Sport 全 16 枚 拡大写真

SUBARUはスバルのモータースポーツ活動を担うスバルテクニカインターナショナル(STI)と共同開発した『BRZ STI Sport』を追加した。

◇スバルとSTIのコラボ

2014年に発表されたスバルの中期経営計画、際立とう2020の中で、今後スバルの価値をより高めるために、STIブランドを強化し、活用・拡大していくことがアナウンスされた。それに従い、日本では2016年に『レヴォーグSTI Sport』を導入。それに続き、BRZにもSTI Sportが設定されたのだ。

「安心と愉しさを追求するスバルと、WRCやニュル24時間レースなどのフィールドで極限状況において走りを磨き、ドライバーが真に信頼出来る、意のままに動く性能を追求し続けるSTIとのコラボレーションした結果、BRZ STI Sportが誕生した」とはスバル商品企画本部プロジェクトシニアマネージャーだった佐藤公彦氏の弁。因みに佐藤氏は10月1日付で他部署に移動となったが、BRZ開発の最初期から携わっており、ミスターBRZとも呼ばれている。

その開発目標は、「BRZが持つポテンシャルを最大限に引き出し、抜群の操縦安定性と、素晴らしい乗り心地をさらに1ランク上のレベルで両立させることだ」と述べる。

BRZには、STIによりハンドリングなどが強化された限定車、tSがあった。今回のSTI Sportは、「ハンドリングなどのスポーツ性能だけではなく、内外装の質感まで含め、総合的に強化したカタログ最上級モデルだ」とポジショニングを明確化。

「目指したのは、誰がどこで乗っても気持ちよくドライバーの意のままに動き、運転が上手くなるクルマ。そしてリニアで無駄な動きがない気持ちの良い走りだ」と佐藤氏。そのために、「STIが開発したボディパーツの装着や、サスペンション、ステアリングなどにファインチューニングを施し、しなやかで上質な乗り味を求めて丹念に作り込んだ」という。

◇tSを上回るハンドリング特性

BRZ STI Sportでは、車両の剛性を高める一方で、しなやかにいなすチューニングが行なわれた。これにより、「タイヤの接地性を高めリニアで遅れのない操舵、ピッチングの少ないフラットな乗り心地を実現して、動的質感の向上と、スポーティな走行性能を両立している」と佐藤氏。

「何も社内計測データだ」と前置きした上で佐藤氏は、「操舵応答性と追従性の両立では、AMSスラロームの通過速度、操舵応答性、横G遅れという点で、tSモデルを凌駕するとともに欧州の他銘柄スポーツカーに比べても破綻することなく意のままに走るシャープなハンドリングと、追従性が両立出来た」と述べる。

また、ロールの安定性と乗り心地との両立については、「欧州アウトバーンを模した路面でのピッチレートと、ロールレートでは、ロールを抑えながら乗り心地がハードになることなく両立を図り、上質な走りを実現出来ている」とコメントする。

これらの性能を実現するために、フレキシブルVバーを採用。これはSTI独自の技術で、佐藤氏によると、「乗り心地を悪化させずに、操舵に対する車体の応答性能を高めた保護パーツだ」という。標準で装着されているVバー(左右フロントストラットからバルクヘッドを結ぶバー)に対し、「左右バーそれぞれにピロボールを挟み込み、軽快なハンドリングに必要な剛性を確保しつつ、振動をしなやかに受け流す特性を持たせている。これにより車体変形のヒステリシスを減少させ、ステアリングを切ってからのヨーレートと、横Gの応答時間が減少するのだ」と説明。

次にフレキシブルドロースティフナーは、フロントクロスメンバーと車体のサブフレームを斜めに繋ぎ、プリロードをかけて操舵遅れを低減させている。「これによりステアリングの切り始めや、路面の轍、横風、降雨、加減速などあらゆる場面で、ドライバーの意のままの走りを実現している」とした。

BRZ STI Sportのタイヤは、欧州スポーツモデルなどに採用されているミシュランパイロットスポーツ4を履いている他、ZFザックスダンパー、コイルスプリングもSTIによる専用チューニングが施された。

今回18インチタイヤを採用することもあり、車体の一部に補剛を追加。佐藤氏は、「主にリアのバルクヘッド周りになるが、板厚をアップさせ剛性を向上させた」と話す。なお、この変更はSTI Sportだけでなく全車補剛された。

◇見た目でもSTI Sportを演出

エクステリアとインテリアも、「スポーティで上質なSTI Sportとして、統一されたデザインを実現した」という。

高いスポーツ性能を内外装でも表現するために、エクステリアでは、「ハイパフォーマンスの走りの楽しさと、上質さの両立を目指した」と述べる。具体的には、「フロントではフォグランプレスとして精悍なフェイスにするとともに、随所に配置したブラックカラー部品と合わせ、コントラストを強調しスポーツカーらしさを表現」。また、サイドには『WRX STI』とも共通する、STIエンブレム付きガーニッシュを装着。 ホイールはSTI製の18インチアルミホイールが採用された。これは、「軽量さとパフォーマンスを感じさせるシャープなデザインだ。グロスブラック塗装を施し、ホイールのスポークの奥から見えるブレンボキャリパーとのコントラストを強調することで、スポーツ表現をしている」とした。

インテリアは、「走りたいという気分を高揚させるカラーと、所有する喜びをさらに高める上質さの 両立を目指した」と佐藤氏。「レヴォーグでも好評のボルドー色の本皮を随所に使い、落ち着いた中にもスポーティな内装とした」。メーターはSTI Sport専用デザインとし、 STIロゴを配すると共に、イグニッションをオンにした時のオープニング画面にSTIロゴが浮かび出ることで、「走りたいという気分にさせる演出を施している」と見た目からもSTI Sportとしての演出が施されていることを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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