【東京モーターショー2017】ロッシの背中が見えた…200km/hで走れるヤマハ自律型ロボット

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ヤマハ MOTOBOT Ver.2
ヤマハ MOTOBOT Ver.2 全 7 枚 拡大写真

ヤマハのスーパースポーツ『YZF-R1M』は言うまでもなく人間用のオートバイ。それに乗った自律型ロボットが、ついにサーキットで200km/hオーバーで走行した。ヤマハの『MOTOBOT Ver.2』(モトボット バージョン2)だ。

モトボットは2015年の第44回東京モーターショーでバージョン1を発表。ハードウェアやソフトウェアを進化させたバージョン2が、今回ヤマハブースで発表された。

しつこいようだがオートバイは人間用のもので、モトボットのための改造は一切していない。バージョン1では補助輪を付けた構造になっていたが、コーナーでのリーンアングル(車体を倒し込む角度)が足りなくなってしまうため、今度は格納式スタンドを備えて補助輪をなくした。

6つのアクチュエータを搭載し、スロットルやブレーキ操作、シフトチェンジ、前後ブレーキ、ステアリングを人間と同じ動きで操作する。高精度のGPSシステムと補正のためのIMUを用いて自律走行を可能とした。

プロジェクトマネージャーの西城洋志さんは「このプロジェクトを進めていく上で、コーナリング時に人間がいかに繊細で直感的に複雑なことを同時にこなしているかということが改めて分かりました」という。

MotoGPで活躍するヴァレンティーノ・ロッシ選手とのラップタイムバトルにも挑んだが、それには惨敗。ただし、西城さんは「背中は見えた」と手応えを感じている。

モトボットは、サーキットを走るために必要な情報と技術だけを持つシンプルな構成となっていて、そこに人間が抱く恐怖心のようなもものは一切ない。

「人間ならスピードを上げられないような状況でも、モトボットはお構いありません。その部分は強みだと思います」(西城さん)

ロッシ選手にはまだかなわなかったが、200km/hもの速度を出してサーキットを走れるようになったモトボット。今後も目が離せない。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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