【WRC 第12戦】セバスチャン・オジェが個人王座5連覇を達成…地元ウェールズ戦でエバンス初優勝、トヨタのラトバラ5位

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5年連続WRC王者となったオジェ(中央右。左はコ・ドライバーのJ.イングラシア)。
5年連続WRC王者となったオジェ(中央右。左はコ・ドライバーのJ.イングラシア)。 全 8 枚 拡大写真

26~29日に開催された世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ウェールズ・ラリー・GB」で、今回3位のセバスチャン・オジェが5年連続のドライバーズチャンピオン獲得を決めた。優勝はエルフィン・エバンスで自身初、トヨタ勢ではヤリ-マティ・ラトバラの5位が最高だった。

全13戦のシーズンも今回を含めて残り2戦、伝統の英国戦はドライバー、マニュファクチャラー(チーム)の両タイトル確定の可能性が高い状況で開催を迎えた。そして今季はフォード・フィエスタWRCを走らせてきた#1 セバスチャン・オジェと、彼が所属する「Mスポーツ・ワールドラリーチーム」が実際にここで王座を決めることとなった。

昨年までフォルクスワーゲン(VW)のワークスチームとともに4連覇を果たしてきたオジェは、VWの撤退に伴い今季に向けMスポーツに移籍。Mスポーツはフォード車を使用しての参戦歴が長いチームだが、現在のチーム名にフォードが入っていないことが示す通り、今は“ワークス”の立場にはない。強豪とはいえ、メーカーの後ろ盾を正式にはもたないチームに移籍しての参戦となった王者オジェ。今季の勝ち星は現段階で2つにとどまっているが、安定した戦いを続け、自身5年連続の個人王座獲得を成し遂げた。

「フィニッシュラインでは、とてもエモーショナルになったよ」とオジェ。今季を「タフなシーズンで、我々は常にハードワークし続けてこなければならなかった」と振り返り、「Mスポーツとともにチャンピオンになれたことは本当に素晴らしい」と“プライベーター陣営”での王座獲得を喜んだ。

WRCでの5冠は、同じフランス出身で9冠のセバスチャン・ローブに次ぐ単独2位の記録。5連覇もまた、ローブの9連覇に次ぐ記録である。まだまだ先は長いが、33歳のオジェは来季以降もレコードブック上で母国の先輩王者を追いかけていくことだろう。

また、やはり今回のラリーで決まったMスポーツのマニュファクチャラーズタイトル獲得、こちらは陣営10年ぶりの快挙となっている。

今回のラリーの優勝はMスポーツの#3 エルフィン・エバンスで、自身初のWRC優勝。ウェールズ出身のエバンスは地元戦での勝利、また上位陣がミシュランユーザーばかりのなかで「D MACK」タイヤを履いての勝利でもあった。2位はヒュンダイの#5 ティエリー・ヌービル、3位が#1 オジェ。

トヨタ勢では#10 ヤリ-マティ・ラトバラの5位が今回最高だった。グリップの低いグラベルが主体のラリーでヤリスWRCは苦闘した印象だが、チーム代表のトミ・マキネンは「今回の我々のパフォーマンスに満足しているわけではありませんが、ポジティブな面もありました。何が良くなくて、どのように改善すべきかを理解できたからです」とラリーを総括。今回も今後への糧を得たことを強調するとともに、「タイトルを獲得したセバスチャン・オジェとMスポーツに祝意を表します」とライバルを讃えている。

なお、トヨタは最終戦には#10 ラトバラと#12 エサペッカ・ラッピ(今回9位)の2カー体制で臨むことを決めており、来季は実戦シートを離れる#11 ユホ・ハンニネンにとっては今回の英国戦がトヨタでの最終実戦となった(結果はリタイア)。

チームに多大な貢献をもたらしたハンニネンに対し、マキネン代表は「ユホは我々の開発およびテストで重要な役割を果たしてくれました。今シーズン、我々がここまで来ることができたのは彼のおかげです。チーム全員、ユホにとても感謝しています」と、深い謝意を語った。来季のトヨタはラトバラ、ラッピ、そしてMスポーツから移籍するオット・タナクの3台体制になることが決まっている。

2017年のWRC最終戦「ラリー・オーストラリア」は11月16~19日に開催される。

《遠藤俊幸》

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