【トヨタ ハイラックス 試乗】「積載量500kg」感じさせない快適な乗り心地…諸星陽一

試乗記 輸入車
トヨタ ハイラックス
トヨタ ハイラックス 全 13 枚 拡大写真

1968年に初代が登場した『ハイラックス』は2004年の6代目モデルの際に日本での販売を終了。7代目モデルは日本では販売されなかったが、今年、2017年に再販を決定。8代目モデルの販売が始まった。なお、このハイラックスは日本製ではなく、タイのトヨタ・モーター・タイランドで製造され、日本に輸入される輸入車となる。

【画像全13枚】

ハイラックスのシャシーはラダーフレームにフロント-ダブルウィッシュボーン+コイル、リヤ-リーフ固定というピックアップトラックらしい組み合わせ。エンジンは2.4リットル・ディーゼルターボで150馬力/400Nmのスペックを持つ。走り始めではちょっと固めの足と感じるが、よくよく考えてみればハイラックスはトラックである。500kgの荷物を積んで運べる設計になっている。そこに一人で乗るだから、固めとなるのは当然。

しかし、やたらと固いわけじゃない。例えば、60km/h程度で走っている際にギャップを超えてもさほど跳ねないのだ。ちょっと前のピックアップトラックを空荷で走ると、リヤが跳ねてグリップを失うものだったが、ハイラックスは上手にリヤタイヤが動いてタイヤがグリップしていく。先述したようにハイラックスのリヤサスはリーフ。リーフは5枚構成で、このうち通常動働いているのは3枚で柔らかく作用しているので、乗り心地が稼げる。荷物を積むとその重さでリーフスプリング同士が密着して固くなり、荷重を支えるという仕組みだ。

エンジンは十分にトルクフルで扱いやすい性格。ゆっくりアクセルペダルを踏んでいくと、モリモリとトルクが盛り上がってくるディーゼルターボらしいフィーリングを味わえる。荷物を積むことを前提にしているクルマ全般に言えることだが、アクセルを急に踏むのは厳禁。トルクがかかりすぎてしまうのだ。もちろん、TRCやVSCが標準装備されているので、不要な動きにまではならないが、空荷のトラックで急アクセルは常に気をつける必要がある。

クロスカントリーセクションでは、しっかりと動く足まわりに助けられて、イージーなセクションクリアが可能だった。デフロックはリヤのみ可能だが、4輪に適切な駆動力を配分する“アクティブトラクションコントロール”のおかげで、対角線スタックも起こすことがなかった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  3. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  4. 寂しさ45%、読者の感情:レクサス『LS』生産終了…「時代の流れ」「次への期待」が交錯
  5. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る