【東京モーターショー2017】BMW コンセプト8シリーズ…6シリーズの上を行く[デザイナーインタビュー]

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BMWコンセプト8シリーズ
BMWコンセプト8シリーズ 全 13 枚 拡大写真

BMWコンセプト8シリーズは、今後導入予定の新型BMW『8シリーズクーペ』のテイストをまとい、BMWクーペの魅力である運動性能、高級感、圧倒的な存在感を具現化したモデルだ。

◇モーターショーではなくコンクールデレガンスで発表

----:まず、コンセプト8シリーズのコンセプトを教えてください。

BMWブランド・コミュニケーション、Z4,、5シリーズ, 6シリーズの広報担当のシプセレス・ファン・フランケンブルグ氏(以下敬称略):このコンセプトカーを初めてお披露目したのはイタリアのコモ湖畔で行われたヴィラ・デステ・コンコルソデレガンツァ2017でした。そのとき、クラシックカーの出品者や来場者、プレスの皆さんから大変好評に受け入れられ、たくさんの前向きな意見をもらいました。このコンセプト8シリーズはラグジュアリーセグメントにおけるスポーティでラグジュアリーなクーペという位置づけで開発しています。

----:通常コンセプトカーの多くはモーターショーなどでデビューしますが、今回はなぜヴィラデステでお披露目したのでしょう。

フランケンブルグ:まずヴィラ・デステ・コンコルソデレガンツァにおいて、我々は過去11年間、オマージュカーやコンセプトカーをずっと発表して来ています。今回、メディアなどに新しいBMWのラグジュアリーカーを発表する場として、ヴィラデステはぴったりだと思ったのです。

実は同じ週末にカモフラージュした『M8』をニュルブルクリンクで開催された24時間耐久レースで発表しました。つまり、ラグジュアリーさをまとったコンセプト8シリーズとスポーティ性をまとったM8を同じタイミングで、それぞれふさわしい場所で発表したのです。

◇デザインはインハウス

----:今お話しされたように、これまでヴィラデステでいくつかのオマージュカーやコンセプトカーを発表してきましたね。その中にはザガートやピニンファリーナといったイタリアのカロッツェリアと共同して製作したモデルもありました。そこで、今回のコンセプト8シリーズは社内デザインなのでしょうか。

フランケンブルグ:はい、社内です。これまでヴィラデステで社内デザインとして発表したオマージュカーは『3.0CSi』 などがありました。必ずしもザガートのようなパートナーのデザインを使うわけではありません。

◇8シリーズは6シリーズの上級に位置

----:さて、1990年に登場した8シリーズの名前が復活したのですが、このモデルは『6シリーズ』の後継にあたるのでしょうか。それとも6シリーズの上級に位置するのでしょうか。

フランケンブルグ:6シリーズの上級、ステップアップです。ヴィラデステでコンセプトカーを発表したときも、1年後には量産を行うと発表しています。以前のオマージュカーやコンセプトカーは、後の市販や量産は考えていませんでしたが、今回は量産モデルとしてデザインしています。

----:では、そもそも6シリーズの上のクラスのクーペを作ろうと思ったきっかけは何でしょう。

フランケンブルグ:我々はラグジュアリーセグメントのレンジを越えて行こうと考えました。従って現行の6シリーズの上を行くものを作ろうとしたのです。また、8シリーズのヘリテージもありましたので、そこで次のステップとして新たなるラグジュアリーカーを提供しようと決断したのです。

----:コンセプト8シリーズと以前の8シリーズとでデザイン上の共通点はありますか。

フランケンブルグ:タイヤが4つ付いていることくらいでしょうか(笑)。2ドアクーペということくらいです。

◇エクステリアデザインはプロポーションがすべて

----:とてもエレガントで綺麗なデザインだと第一印象で感じています。特にBMWの大型クーペは以前から非常に綺麗なデザインをまとっており、BMWとしても得意分野だと感じています。そこでコンセプト8シリーズのデザインの特徴を教えてください。

フランケンブルグ:プロポーションがすべてです。ショートオーバーハングと長いホイールベースにより、クルマ全体のバランスを保っています。それと同時に、この両立がとても難しかった。しかし、両立できたからこそ、この綺麗なプロポーションが実現できたのです。

また、BMWのアイコンでもあるキドニーグリルも非常に良い仕事をしています。この新しいキドニーグリルは他のBMWには全く見受けられない仕上がりです。

----:8シリーズのターゲットユーザーはどう想定されていますか。

フランケンブルグ:とても高収入なお客様で、ガレージには1台以上クルマがあるような方です。そして文化とか芸術に造詣が深く、とてもラグジュアリーなライフスタイルを送っているお客様でしょう。そう、まさにヴィラデステにいらっしゃるような方たちなのです。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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