【東京モーターショー2017】BMW コンセプトZ4…求められたのはソフトトップ[デザイナーインタビュー]

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BMW コンセプトZ4
BMW コンセプトZ4 全 16 枚 拡大写真

BMW『コンセプトZ4』は、数年後に発売を予定している次期Z4のデザイン試作車で、BMW の駆けぬける歓びを純粋に表現したモデルであるという。

◇デザインをフォーカスするためにコンクールデレガンスで発表

----:現行『Z4』の次期型と目される『コンセプトZ4』は、ペブルビーチコンクールデレガンスの会場にて発表されました。あえてモーターショー会場ではなく、クラシックカーのコンクールが行われる会場を選んだ理由から教えてください。

BMWブランド・コミュニケーション、Z4、5シリーズ、6シリーズの広報担当のシプセレス・ファン・フランケンブルグ氏(以下敬称略):コンセプトZ4は次世代のZ4に関してお客様がどのように考えているかということを知るために制作されました。今回一緒に展示している『コンセプト8シリーズ』はヴィラ・デステコンコルソデレガンツァで発表しましたが、コンセプトZ4はペブルビーチコンクールデレガンスで発表しました。

通常、モーターショーのような場所でコンセプトカーの発表をしますが、今回はペブルビーチやヴィラ・デステなど違った場所で発表したのです。その理由は、モーターショーよりも、よりデザインにフォーカスが当てられるからです。それとターゲットユーザーに近い人たちが集まる場所ということももちろんあります。

----:それでは今後はクルマによって発表の場を使い分けていく考えなのでしょうか。

フランケンブルグ:その通りです。例えば先日『M5』を発表した場はeスポーツのコンベンション会議でした。

◇わずかのサイズアップで快適性向上

----:コンセプトZ4は現行Z4よりも大きくなったように感じますが、実際にはどうなのでしょう。

フランケンブルグ:全長やホイールベースや幅がわずかに大きくなっていますが、ホイールも大径化されていますのでよりアグレッシブに見えると思います。

しかし、実寸ではそれほど大きくは変わっていないのです。長くなったのはホイールベースのところだけで、全長の寸法はそれほど長くはなっていません。しかし、このわずかな拡大によってドライビングダイナミクスとともに、快適性も向上しているのです。また、オーバーハング部分は短いので、現行Z4とよく似ているでしょう。

◇このコンセプトカーの80から85%は量産モデルに反映!?

----:そうですね。これまでのZ4のデザインイメージを残しつつ、かつ新しさを感じさせるデザインだと思います。今回のコンセプトカーはZ4の名前を使っていますね。そこで伺いたいのですが、Z4という名前を使うから、現行のイメージを残してデザインしたのか、それとも、このクルマはあくまでもコンセプトカーなので今後デビューするクルマでは大きく変わるのでしょうか。

フランケンブルグ:Z4はロードスターのヘリテージを持っていますので、このコンセプトカーの名前を変えようとは全く思いませんでした。確かにメディアの中で、噂としてZ4からZ5へとなるのではないかといわれていますが、Z4自体で成功しており、すでに世界中で12万台も販売していますので、これを変えるつもりは全くありません。

しかし、デザインランゲージとしては、新しいものを使うことによって、よりモダンで、よりフレッシュで、更にダイナミックな形にしていこうと考えています。ただし、強調しておきますが、これまで培ってきたロードスターのプロポーションを変えるつもりはありません。

----:いまおっしゃられた新しいデザインランゲージとは何ですか。

フランケンブルグ:よりシャープでよりクリーン形にしていきます。また、他のBMWとは全く異なるキドニーグリルやヘッドランプなどもそうです。

----:そうするとそれが今後のBMWのデザインに反映されていくのでしょうか。

フランケンブルグ:これからのモデルについて話すことは出来ません(笑)。しかし、こういったデザインの一部が将来のBMWのデザインに波及していくと思いますよ。

お約束出来ることとは、コンセプトZ4にしろ、コンセプト8シリーズにしろ、このコンセプトカーの80%から85%くらいは量産モデルでも使われるということです。もちろんキドニーグリルも違う形になってくるとは思いますが、そこにはこのコンセプトカーの影響があるでしょう。

◇ピュアなロードスターを目指しソフトトップを採用

----:コンセプトZ4のデザインの特徴について教えてください。

フランケンブルグ:エクステリアについては少し触れましたので、インテリアについてお話ししましょう。まず今回からハードトップではなくソフトトップになります。また全く新しい世代のコネクティビティも重要なポイントです。新しいヘッドアップディスプレイも使われていますし、レーザーライトも搭載されています。

----:なぜハードトップからソフトトップに変えたですか。

フランケンブルグ:お客様からの要望が大きかったのです。ソフトトップにしてほしいというお客様の声が非常に強く、そういったフィードバックがあったことからソフトトップに変更しました。

----:お客様はなぜソフトトップを好まれたのですか?

ソフトトップのほうがロードスターの典型的な特徴だからです。クラシックなロードスターは常にソフトトップでしょう。

また、ハードトップのほうが屋根の重さ分、重心も高くなってしまいますね。そこもソフトトップを好まれた要因のひとつです。

----:そうするとお客様はピュアなロードスターが欲しいと思っているのですか。

フランケンブルグ:その通りです。お客様はソフトトップを要望しており、純粋なロードスターが欲しいということでしたので、それを踏まえてソフトトップを採用しました。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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