JR九州はこのほど、九州北部豪雨と台風18号の影響で一部の区間が運休している路線のうち、12月下旬にも日豊本線を全線再開する方針を示した。久大本線も2018年夏頃の全線再開を目指す。
同社は今年7月、九州北部豪雨の影響により久大本線と日田彦山線で大きな被害が発生。久大本線は光岡~日田間(大分県日田市)の花月川橋りょうが流失し、信号ケーブルの断線なども発生した。日田彦山線も橋りょうの変形や線路の流出など多数の被害が発生している。
この影響で久大本線は光岡~日田間が運休中。日田彦山線も添田(福岡県添田町)~夜明(日田市)間で運休しており、いずれもバスによる代行輸送が行われている。JR九州は今回、久大本線について「2018年夏を目途に早期復旧に取り組んでいる」とした。
一方、日田彦山線は鉄道以外の交通機関への転換も視野に入れ、復旧方法の検討や沿線自治体との協議を進める模様だ。運休区間を含む田川後藤寺~夜明間の1日平均通過人員(旅客輸送密度)は299人。JR九州が発足した1987年度(1103人)に比べ約7割減少している。
今年9月の台風18号では、日豊本線の徳浦信号場構内(大分県津久見市)に土砂が流入。他にも冠水や道床流出、電柱の破損などの被害が発生した。この影響で同線は臼杵(大分県臼杵市)~佐伯(佐伯市)間が現在も運休中だが、JR九州は「12月下旬には再開できる見込み」としている。