風を抑えたり暖めたり…JR東海、新幹線N700系で新しい雪対策を試行

鉄道 テクノロジー
N700系で試行される新たな雪対策の一つ。車体の「フサギ板」と呼ばれる部分にヒーターを取り付けて雪を付きにくくする。
N700系で試行される新たな雪対策の一つ。車体の「フサギ板」と呼ばれる部分にヒーターを取り付けて雪を付きにくくする。 全 4 枚 拡大写真

JR東海は11月24日、新幹線のN700系電車で着雪防止対策を試行すると発表した。現在開発中の新型車両「N700S」に反映させる。

東海道新幹線は比較的雪の少ない地域を通っているが、岐阜羽島~米原間の岐阜・滋賀県境付近(関ヶ原)は雪が多い。冬季は車体に付いた雪が塊になって線路に落下し、レール下の石(バラスト)を跳ね上げて車両を破損することがある。このため、冬季の関ヶ原付近では速度を落として運転することが多く、東海道新幹線のダイヤの乱れの主な原因になっている。

N700Sでは風の流れのシミュレーション結果をもとに、台車下部の開口面積を最大限縮小するよう台車カバーの形を改良。台車に流れ込む空気を抑えることが考えられている。これにより、雪の舞い上がりによる車体への着雪を低減する。また、雪が付着しやすい部分にはヒーターを取り付け、雪を溶かすことも考えられている。

JR東海によると、これらの対策をN700系の3編成で試行。着雪防止対策の最終仕様の検討を行い、N700Sに反映させるという。N700Sは「確認試験車」と呼ばれる試験運転用の16両編成が現在製造中で、2018年3月に完成の予定。2020年度には営業用の車両がデビューする予定だ。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
  2. 2人乗りの特別なトヨタ『シエンタ』登場に「日本一周したい」「こういうの欲しかったんだよ」など反響
  3. ファン必見!『ミニGSX-R』は1000台注文あれば販売される!?「鈴鹿8耐」最注目の“スズキの隠し球”
  4. フォード『ブロンコ』が60周年、初代をオマージュした記念パッケージが登場
  5. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る