東レ子会社による検査データ改ざん、明確にできない残り4万点…国交省は調査指示するが

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東レ子会社「東レハイブリッドコード」(=THC/愛知県西尾市)が製造するタイヤ補強材など、品質データ改ざんを受け、国土交通省は29日、同社製品を使用するタイヤメーカーや自動車メーカーなどに対して、その影響について報告を求めることを決めた。

THC製品がデータの書き換えを行ったとされる製品の使用状況や、その安全性について調査することを関係する各社に求める。

ただ、国交省の求めに、タイヤメーカーや自動車メーカーが応じるためには、東レとTHCの一段の協力が必要だ。東レは28日に改ざんがあったとされる08年4月~16年7月の約4万点について調査を行ったことを公表した。しかし、同期間において製造された製品は約8万点ある。この残りの約4万点の安全性について、東レはこう話す。

「安全というより検証ができない。社内調査した約4万点については、測定値の書き換えがあったとしても僅差であり、安全性に問題がない。規定値を大きく外れたものは破棄している。この調査にあてはめて、残りの4万点についても考えている」

調査を終えた10月から東レとTHCは顧客への説明を始めているが、説明の内容は社内調査した約4万点だけ。残り4万点については触れていない。

調査対象から外された4万点は、書き換えられる前の測定値そのものが、社内に残っていないものだ。市場に最終製品を出す時点で、タイヤメーカーや自動車メーカーが品質検査を行っているため安全性に直ちに問題があるとは言えないが、この安全とも言い切れない製品をどう判断するか。国交省も含めて決めかねている状態だ。

そもそも対象外とされる約4万点について、東レとTHCは、どこに提供されたものであるか、顧客にさえ説明していない。

29日の会見で石井啓一国交相は、同社に対しても「最終製品への安全性の影響の有無と事実関係の究明。交通事業者等の顧客への適切な情報提供。さらに、徹底的な原因究明、再発防止策の構築について実施し、その結果を速やかに報告するよう求める」とした。

《中島みなみ》

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