静かなれど熱き闘い、フォーミュラE…これまでの常識は捨てて楽しむ[フォトレポート]

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フォーミュラE 第1・2戦 香港
フォーミュラE 第1・2戦 香港 全 86 枚 拡大写真

12月2日、香港で「フォーミュラE 2017-2018」が開幕した。2014年にスタートしてから、今回で4回目のシーズンを迎える。会場は、香港市内の一般道を利用した市街地サーキット。フェリー乗り場や主要駅などからもほど近い、まさに中心部といえる場所だ。

【画像全86枚】

フォーミュラEは、化石燃料を使用しないEVのフォーミュラマシンで競うレースだ。最大出力は270馬力、最高速度は225km/hまでとレギュレーションで定められており、タイヤもミシュランの全天候型タイヤを用いるなど、従来のフォーミュラレースとは異なる点が多い。ファンがドライバーに投票できる「ファンブースト」も独自の取り組みだ。獲得数上位3名は、100kJの追加パワーを得てレース中に加速することが可能となる。

今シーズンは10チーム20台のマシンが参戦し、アウディが初めてワークスとして出場する。2018年末に開幕する第5シーズンでは、BMW、メルセデス、日産などが参戦を表明している。電動化が加速する昨今、車両開発へのフィードバックやブランディングの面で、メーカーのワークス参戦にも拍車がかかる。

当日のスケジュールは、練習走行、予選、スーパーポール、決勝という流れ。ピットウォークやロボレースのデモ走行も行われた。ロボレースは、AIを搭載した自動運転車マシンによるレースということで注目を集めているが、残念ながらテストマシン『DevBot』が颯爽と走る姿は見ることができなかった。DevBotにはテストドライバーが乗り込み、走行中にステアリングから手を離すシーンもあったが、40分間のうち走る姿が見られたのは10分程度。システムの誤作動か、途中白煙を上げながら急停止する場面もあり、自動運転レース実現への道のりは険しいと感じさせられた。

Eビレッジと呼ばれるエリアには、チームやサポート企業のブースが並び、訪れた人々でにぎわっていた。観客は家族連れや若いカップルなどが多く、自動車メーカーのブースでマシンのレプリカと記念撮影する人もいれば、椅子に座ってゆったりとモニターを眺めている人もいる。「GAMEING ARENA」と名付けられたレースゲーム体験ができるブースには長い列ができており、生命保険の企業までサイクリングゲームやミニカーのレールセットを用意していた。

ドライバーには、元F1選手や現役のベテラン選手、アラン・プロストやネルソン・ピケの息子など錚々たるメンバーが名を連ねる。今回から、小林可夢偉も日本人ドライバーとして初めて参戦することになった。しかし、経験豊富な彼らもフォーミュラEのレースで優勝するのは簡単ではないようだ。独特な形状のマシン、エスケープゾーンのない市街地コース、バッテリーの管理、マシンの乗り換えなど、適応しなければならない要素は多い。今後、誰が頭角を現すのか期待が膨らむ。

レースは白熱する展開となった。オーバーテイクは積極的に行われるし、接触も少なくない。確かに、サーキットに行ってエンジンの咆哮を聞いたら気分が高揚する、という人は多いだろう。だからといって、静かなレースに興奮やドラマがないとは言い切れないのだ。従来とは異なるエンターテインメントとして受け入れてみれば、きちんと楽しみやメリットがあることに気づく。交通の便が良いこと、小さな子どもと一緒でも気兼ねなく行けること、会話を楽しみながらレースを見られること…。まだ時間は必要かもしれないが、それが広く浸透したとき、フォーミュラEは人々の間に新たな文化として根付くだろう。

<協力:アウディジャパン>

《吉田 瑶子》

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