BMWの伝統とカスタム魂宿る…ホットロッドショーで見た「R5 オマージュ」

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R5 Hommage
R5 Hommage 全 31 枚 拡大写真

ヨコハマ ホットロッドカスタムショー2017(12月3日、パシフィコ横浜)のBMWモトラッド ジャパンのブース、もっとも目立つ場所に置いてあったのは『R5 Hommage(アールファイブ オマージュ』だ。

80年以上も前に発売された『R5』を再現しつつ、現代の技術も採り入れているから面白い。まず、排気量500ccの水平対向2気筒にはスーパーチャージャーがセットされ、カバー類やグリップエンドから伸びるレバーはアルミ削り出し、エキパイはステンレス製としている。

そしてサドルシートのレザーはエンボス加工で仕上げられ、ティアドロップタンクには手の込んだボカシ塗装を施した。単なる復元ではなく「Vintage Meets Custom」をテーマに、ヴィンテージと最新カスタムのエッセンスが融合しているのだ。

これを手がけたのは、ノレン兄弟(ベナさん&ロナさん)を中心としたスウェーデンのチーム。今回、ホットロッドカスタムショーのため来日した。

オーダーしたのはBMWモトラッドで、製作チームを率いたのは車両デザイン部門のオラ・ステネガルドさん。パーツ開発/製作および車両製作をベナ・ノレンさん(TOLLE Engineering代表)とロナ・ノレンさん(Unique Custom Cycles代表)が、ペイントデザインおよび塗装をホーカン・リンドバーグさんが担当した。

メーカーがカスタムビルダーに発注し、チームとして手を組むのは異例中の異例のこと。ロナ・ノレンさんはこう言う。

「ボクサーツインエンジンは『R5』を再構築したものですが、それ以外はほぼすべてを新たに作りなおした。オリジナルのディティールを再現しつつ、現代の技術でひとつずつパーツを丁寧に作りなおし、たいへんな作業でしたがエキサイティングでした。燃料タンクもすべてハンドメイドで、塗装も手が込んでいます」

美しいフレームワーク、ボクサーツインエンジンの圧倒的な存在感、エレガントな佇まい。時間を忘れて見とれてしまうものが、R5 オマージュにはある。それは誰の目にもあきらか、今回は、BEST MOTORCYCLE EUROPEANを受賞した。

BMWモトラッド ジャパンの広報担当者はこう言う。

「BMWの伝統を知っていただきたいという想い、そしてカスタムシーンにBMWがいつの時代にもあるという想いから始まったものです」

ホットロッドカスタムショーの会場には、他にも数多くのBMWがディスプレイされ、いずれもカスタムビルダーが時間と手間を惜しまず製作した精魂こもった作品たちである。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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