トヨタ純正のAVSを使えるチューニングダンパー、テインから登場

自動車 ビジネス 国内マーケット
テイン「FLEX AVS」を試した
テイン「FLEX AVS」を試した 全 14 枚 拡大写真

スポーツダンパーなどを手がけるテインは毎年、年末が近づくと新製品を発表する。今年も3種の新製品が発表されたが、そのなかで2つのモデルへの試乗が叶った。

まず試乗したのはトヨタが可変式ダンパーを軸に構成する車両安定システム“AVS”を生かすことが可能となったモデルで、その名も「FLEX AVS」。従来よりAVS付きのモデルへのテインのダンパー装着は可能であったが、装着することでAVS機構が使えなくなってしまうというデメリットが生じた。今回のモデルは純正のAVSアクチュエーターを使うことで、AVS機構を生かしたままテインのサスキットが使えるようにしたもの。

装着されたサスキットは車高を落としてもストロークは変わらない全長調整式。装着されたスプリングはフロントが10.0kg/mm(標準は3.8kg/mm)、リヤが8.0kg/mm(標準が5.4kg/mm)にアップ。標準18インチタイヤに対し、19インチタイヤにインチアップ。減衰力は純正AVSアクチュエーターによって9段階に制御される。

まずはノーマルモードで走り始める。スプリング硬く、タイヤが薄くなっているので当然のことながらノーマルと比べるとかなり硬い乗り心地。試乗を行った西湘バイパスは路面の継ぎ目段差が大きく、間隔も短いためチューニングショックにとってはかなりきつい条件となるが、その段差をきっちりこなしていく。もちろん段差を乗り越えるときの突き上げはあるのだが、入力が過激さを持っているわけではない。段差は段差として迎え入れるが、きちんと処理する。衝撃を1回で消え去らせるところはさすがだ。スポーツモードにしても同じ、しっかりといなしてくれるので、不快さはない。

テインの減衰力調整式装置は、「EDFC(エレクトロニック・ダンピング・フォース・コントローラ)」が有名だが、EDFCを装着してしまうと、AVSが持っているさまざまな機能(ナビとの連動など)が使えない。しかもテインのEDFC用の減衰力調整装置だと作動角が足りずにAVSアクチュエーターでの調整がしきれない。そこでテインではAVSアクチュエーターの作動角内で減衰力が調整できるようにAVSニードルというパーツを装着し、減衰力調整を可能にしているというわけだ。

AVSではナビデータを使って減衰力の加減を行うので、おそらくかなり硬くなるであろう、キツい回転半径をのコーナーへとクルマを走らせた。40km/h程度でのコーナリングがギリギリのこのコーナーで、スポーツとノーマルを試したが、スポーツでは引き締まり感が高い印象。スポーツドライブをするにはぴったりだろう。

2018年1月より順次発売で、適応車種は『クラウン』、レクサスのAVS装着車など。価格は18万~18万5000円予定している。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る