リーズナブルにポテンシャルアップが図れる純正形状サスキット…テイン

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テイン「エンデュラプロ・プラスSPキット」を試す
テイン「エンデュラプロ・プラスSPキット」を試す 全 12 枚 拡大写真

テインの2018年モデルのなかで、エントリーモデルとも言えるのが「エンデュラプロSPキット」と「エンデュラプロ・プラスSPキット」の2種。

純正形状でありながら純正品に比べてシェルケースやピストンロッドを太くすることで、オイル容量の拡大や剛性向上を実現し、高い耐久性を確保している。多くのショックアブソーバーは、フルバンプ時(もっとも縮んだ状態)の底突きを防止するため、樹脂やゴムのバンプストッパーを採用しているが、「エンデュラプロSP」では、ショックアブソーバー内にハイドロリック・バンプ・ストッパーと呼ばれる機構を採用。ハイドロリック・バンプ・ストッパーは高減衰力のショックアブソーバーを内蔵するようなものを想像してもらえばいい。バンプストッパーのような急激な減衰ではなく、緩やかで高い減衰を可能にしている。

試乗車は『ヴェルファイア』で、減衰力16段調整機構を持つ「エンデュラプロ・プラスSPキット」減衰力調整は中間となる8段となっていた。組み合わされたスプリングはフロントが3.5kg/mm(純正は2.8kg/mm)、リヤが6.7kg/mm(純正は5.6kg/mm)、車高は前後ともにマイナス30mm。装着タイヤは純正の235/50R18に対し、2サイズインチアップとなる245/40R20が装着されていた。

ヴェルファイア用「エンデュラプロSP」は後席でのコツコツ感を低減することを目的にしたセッティング。多人数乗車によってショックが縮みフルバンブした際にはハイドロリック・バンプ・ストッパーが働くことで、底突きを防止している。試乗時が1名乗車であったため、ハイドロリック・バンプ・ストッパーの働きは確かめられなかったが、このシステムはすでにモータースポーツ用などで採用され、実績を積んでいるシステムなので、期待度はかなり大きい。

試乗車の乗り心地はちょっと固めで、路面の段差もそれなりに拾っていた。どうもねらっているところのセッティングとはちょっと違うな…と感じたが、よくよくスペックを見てみればタイヤが20インチに変更されている。いかにブリヂストンのREGNOといえども扁平率40はキツい。実際、固めの乗り心地だけでなく、ザラッとした手触りと、ノイズも多めだった。

しかし、この状況を逆に考えてみると20インチのヨンマル(扁平率40%)タイヤを装着した状態での乗り心地としてはかなり上々であると言い換えられる。段差乗り越えや路面のざらつきに対する減衰はタイヤが担当する成分が多い。それらを差し引いてみると、なるほどよくダンピングしているし、ハンドリングの正確さも高い。タイヤのハイトを少し上げれば初期の乗り心地は改善されるだろう。より走りを求めるならこのセット、少し乗り心地を稼ぎたいならタイヤチョイスを変更でベストセッティングとなることだろう。

発売は2018年1月からで、価格はスプリング込みの1台分セットで減衰力非調整タイプの「エンデュラプロSPキット」が5万円から、減衰力調整式の「エンデュラプロ・プラスSPキット」が6万円からを予定している。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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