車内でのスマートフォン操作を無効化するスマートフォンケース

自動車 テクノロジー 安全
スマートフォンケースの内側に、スマートフォンと接続するプラグが見える。上部に見える白い部品はバッテリー。スマートフォンケース側のUSBから、スマートフォン本体と同時に充電する仕組み。
スマートフォンケースの内側に、スマートフォンと接続するプラグが見える。上部に見える白い部品はバッテリー。スマートフォンケース側のUSBから、スマートフォン本体と同時に充電する仕組み。 全 5 枚 拡大写真

IoTテクノロジーベンチャーのMomoは12月20日記者会見を開き、「ながら運転」撲滅 IoTソリューションを発表した。運転中にスマートフォンのながら見を抑制するスマートフォンケース型のデバイスで、車内ではアプリの操作ができないようにする仕組みが入っている。

同社代表取締役の大津真人(おおつまさと)氏は、「スマートフォンを見ながら運転する”ながら運転”が原因となる事故が増えている。当社が提供するのは、スマートフォンの車内利用を完全に防ぐ”ながら運転”撲滅IoTソリューションだ」と説明した。

この仕組みは、車内に設置するBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンと、そのビーコンの信号をキャッチすると、スマートフォンの操作を無効化する機能を持つスマートフォンケースで構成されている。つまり、クルマに乗車するとスマートフォンの操作ができなくなる、というものだ。
大津氏プレゼンテーション資料より
このスマートフォンケースは、USBでスマートフォンとシリアル接続される。内蔵するBLEの受信チップが車内のBLEビーコンをキャッチすると、操作をキャンセルするコマンドをUSB経由でスマートフォンに送り込む仕組みだ。またケースには充電用のUSBプラグが装備されており、スマートフォンの充電と同時に、ケース内蔵のデバイスも充電される構造になっている。

非常にシンプルな構成であり、かつSIMが不要なため通信費用もかからない。デバイス自体も非常に安価だと大津氏は主張する。「事業用車両を対象に、デバイスのコストや初期費用も含めて、すべて月額の支払いで利用できるよう提供していきたい」と見通しを述べた。

またこの仕組みを利用した実証実験を、損保大手の東京海上日動火災保険と組んで2018年1月から実施する予定だ。この仕組みは、IoTデバイスとして収集したデータをアップロードする機能も持っているが、「まずは利用を制限することの実効性を検証する。運転性向などのデータを収集するのはその先になる」(大津氏)とのことだ。

さらに大津氏は、「大手飲料メーカーと運送業の2社から、約4000セットの納品依頼を受け取っている。強いニーズを感じている。」と明かした。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る