増発が進む東北新幹線『はやぶさ』 2018年3月「春のダイヤ改正」

鉄道 企業動向
『はやて』の『はやぶさ』化などで運行本数が増える東北新幹線のE5系。
『はやて』の『はやぶさ』化などで運行本数が増える東北新幹線のE5系。 全 6 枚 拡大写真

JR東日本は12月15日、ダイヤ改正を2018年3月17日に実施すると発表した。新幹線では東北新幹線『はやぶさ』を増発。中央線の特急『スーパーあずさ』は、全列車がE353系化される。

■新潟駅で上越新幹線と特急『いなほ』の対面乗換えが可能に

新幹線では東北新幹線と北陸新幹線で増発が行なわれる。

東北新幹線では、東京→仙台間と新青森→東京間に『はやぶさ』各1本を増発。東京→盛岡間の『はやぶさ』1本が新青森まで延長される。

『はやぶさ』の増発に伴ない、東京~盛岡間で併結される秋田新幹線『こまち』は、秋田駅基準で、下りが14~23時台着、上りが13~19時台発の列車で号数が変更される。

『はやて』では、東京~盛岡間の2往復にE5系を投入し、320km/h運転の『はやぶさ』とする。これにより10~11分の時間短縮が図られる。

『やまびこ』では、盛岡6時51分発『やまびこ94号』を平日運行から毎日運行に改め、仙台駅で『やまびこ124号』へ乗り継げるよう時刻を見直す。また、盛岡6時31分発『やまびこ122号』(改正後『やまびこ124号』)を仙台始発に、仙台8時24分発『やまびこ126号』(改正後『やまびこ40号』)を盛岡始発にそれぞれ変更する。

上越新幹線では、朝・夜に運行されている『Maxとき』上り1本・下り2本を16両化。代わりに同数の列車が8両に減車される。また、在来線ホーム(1~4番線)が高架化される新潟駅では、4月から上越新幹線と特急『いなほ』の対面乗換えが可能になる。

北陸新幹線では、利用の多い時間帯に東京~長野間の『あさま』を1往復増発。上越妙高7時38分発の長野行き臨時『はくたか598号』は廃止される。

■房総特急全列車が指定席連結に

在来線の特急では、中央本線の『スーパーあずさ』が、今年12月23日にデビューする新型のE353系特急型電車にすべて置き換えられる。

これに伴ない、E351系が使われていた東京~八王子間の『中央ライナー2・7号』をE257系に変更。東京23時発の高尾行き『中央ライナー9号』は2両減の9両編成となる。

高崎線・上越線の『スワローあかぎ』では、高崎線内の停車駅が統一され、これまで通過列車があった北本・鴻巣の2駅が全列車停車となる。

房総方面の『さざなみ』『わかしお』『しおさい』では、普通車が全車自由席で運行されていた列車にも、指定席が1両連結されるようになるほか、指定席での車内改札が省略される。また、新宿発着の臨時『新宿さざなみ』は佐貫町(さぬきまち)駅、臨時『新宿わかしお』は鵜原駅と安房天津(あわあまつ)駅が通過となる。

奥羽本線の『つがる』では、青森県内の浪岡(なみおか)駅が停車駅に加わる。

羽越本線の『いなほ』では、首都圏への到達時分を短縮するため、秋田9時15分発『いなほ8号』の時刻を、現行より1時間20分繰り下げ、新潟で『Maxとき324号』と接続させることで、秋田~東京間で48分の時間短縮を図る。

■快速『エアポート成田』は愛称名なしの快速に

首都圏の水戸・高崎・千葉支社エリアでは、朝の通勤通学時間帯を中心に時刻が見直される一方で、一部列車の廃止も行なわれる。

高崎線では、夜間に運行されている上り通勤快速1本を各駅停車に変更。上越線の群馬県内では、日中時間帯の時刻が見直され、利便性の向上が図られる。

また、両毛線では、改正後の4月1日、富田~足利間に新駅の「あしかがフラワーパーク」が開業する。

武蔵野線では、西船橋方面の運行本数を、ピーク時(船橋法典駅基準7時20分~8時20分頃)に1本増やした14本とする。また、八王子支社エリアと大宮支社エリアに跨る区間では、府中本町発『むさしの号』の平日の大宮着を9時台から8時台に変更し、通勤・通学の利便性向上を図る。

房総各線では、内房線館山~安房鴨川間や外房線茂原~勝浦間で一部列車の運行区間や時刻の変更、削減が行なわれる。また、成田空港方面への快速『エアポート成田』は、愛称名のない快速となる。

水郡線では、朝の通勤・通学時間帯に水戸~常陸大宮・常陸太田間で時刻の見直しを実施し、一部列車で編成両数の見直しも行なう。また、上菅谷~常陸太田間では14~15時台に運行される1往復が廃止となる。

■青梅線青梅~奥多摩間で一部列車を削減

首都圏の八王子支社エリアでは、中央線や青梅線、南武線、八高線などで、運行間隔の平準化や列車削減などが行なわれる。

立川駅と奥多摩駅を結ぶ青梅線では、青梅5時39分発東京行き青梅特快を新設。これにより、中央線大月・高尾方面からは、国分寺駅でこの青梅特快に乗り換えることで、現行より5分早い6時35分に新宿駅に到着することができる。

また、青梅線では、青梅~奥多摩間で列車の削減が行なわれ、下りでは青梅発15時台(平日)、18時台(土休日)で各1本、上りでは奥多摩発15時台(平日)、18時台(土休日)で各1本が廃止となる。

川崎駅と立川駅を結ぶ南武線では、川崎駅を平日22時台に発車する稲城長沼行きを立川まで延長し、立川駅で甲府行き特急『かいじ123号』と接続する。

中央線では、塩山駅と甲府駅で下り列車の始発時刻を繰り下げる。

八高線の拝島~箱根ヶ崎間では、平日17~18時台で運行間隔を平均20分台とする調整が行なわれる。

なお、八王子支社に隣接する長野支社エリアでは、北陸新幹線佐久平駅で新幹線と接続する小海線の列車を増やす。

■八戸線は全列車がキハE130系に

東北本線や八戸線、山田線、北上線、津軽線などを含む盛岡支社エリアでは、東北本線や青い森鉄道への直通列車廃止などが行なわれる。

八戸駅と久慈駅を結ぶ八戸線では、全列車を、今年12月2日から投入されている新型のキハE130系500番台に置き換え、キハ40系を淘汰する。ただし、八戸12時22分発、久慈15時発の列車はキハ48形「リゾートうみねこ」が充当される場合がある。また、朝時間帯に行なっていた青い森鉄道からの乗入れを廃止する。

山田線の盛岡~宮古間では、夕方の通勤・通学時間帯を中心に一部列車の時刻を修正する。

東北本線の北上駅と奥羽本線の横手駅を結ぶ北上線では、北上5時31分発の下り列車と、東北本線への直通列車を廃止する。

青森駅と三厩(みんまや)駅を結ぶ津軽線では、一部列車で編成両数が見直される。

このほか、北上・盛岡・八戸の各駅では、在来線と新幹線の乗継ぎ時分が一部時間帯で短縮される。

■五能線に通常の快速を新設

奥羽本線や羽越本線、男鹿線・五能線などを含む秋田支社エリアでは、快速の停車駅見直しや時刻変更が行なわれる。

奥羽本線では、秋田~大館・弘前間の快速停車駅に、秋田県内の上飯島・羽後飯塚の2駅が加わる。一方で、21・22時台に青森県内の津軽湯の沢駅に停車する上り2本の普通列車が、改正後は通過となる。

羽越本線では、早朝の新屋(あらや)始発下りの時刻を繰り上げ、秋田6時8分発『こまち6号』と接続するように改善される。

奥羽本線追分駅と男鹿駅を結ぶ男鹿線では、今年3月のダイヤ改正から投入されているEV-E801系交流蓄電池電車「ACCUM」による運行を1往復増の3往復とする。

奥羽本線の東能代駅と川部駅を結ぶ五能線では、快速『リゾートしらかみ』全列車が青森県内の藤崎駅に停車。『リゾートしらかみ5号』は青森県内の千畳敷駅にも停車するようになる。

また、五能線沿線の観光活性化を図るため、全線を運行する通常の快速が上り1本新設される。一方で、利用状況に合わせて、一部列車の廃止や運行区間の変更も行なわれる。

■えちごトキめき鉄道直通快速を一部廃止

羽越本線や信越本線、白新線、越後線、磐越西線などを含む新潟支社エリアでは、快速の増発や運行間隔の平準化、一部列車の時刻見直しが行なわれるほか、新型のE129系が引き続き投入され、115系の置換えが進められる。

このうち、信越本線では、夕時間帯の新潟→長岡間に快速を新設。えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインへ直通する新潟発着の快速3本や、土休日の朝時間帯に運行している直江津→長岡間の快速1本は廃止となる。

羽越本線では、山形県内の酒田~鶴岡間で午前中の1往復を廃止する一方、新潟~村上間の列車では日中時間帯の時刻が見直され、運行間隔の平準化が図られる。また、山形県内の余目駅では、特急『いなほ9号』から陸羽西線への接続が改善される。

羽越本線の新発田駅と新潟駅を結ぶ白新線では夕時間帯の運行時刻が見直され、朝の通勤・通学時間帯に増結を行なう。

新潟駅と柏崎駅を結ぶ越後線では、夕時間帯で増結を実施。

磐越西線の新潟県内では、朝時間帯に運行されている新潟~馬下(まおろし)間の1往復を五泉(ごせん)発着に変更する。

■仙台空港鉄道直通列車で運行間隔を短縮

東北本線や仙山線、仙石線などを含む仙台支社エリアでは、運行間隔の短縮や混雑緩和などが図られる。

東北本線の名取駅と仙台空港駅を結ぶ、仙台空港鉄道への直通列車では、9~16時台の運行間隔を30分未満とする時刻の見直しが行なわれる。

仙台駅と奥羽本線の北山形駅を結ぶ仙山線では、朝の通勤・通学時間帯に運行される仙台~愛子(あやし)間の上り2本・下り1本を4両編成に増強する。

東北本線と仙石線をショートカットする仙石東北ラインでは、夕時間帯に運行される上下各1本が、新たに石巻あゆみ野駅に停車する。

このほか、小牛田(こごた)駅では、一部の時間帯で、石巻線と東北本線、陸羽東線と気仙沼線との接続が改善される。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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