【新聞ウォッチ】「ブルース演歌の女王」の大ファンだった山本健一さんを偲ぶ

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山本健一氏
山本健一氏 全 3 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年12月26日付

●回顧2017年の経済、不正、日本製信頼揺らぐ(読売・9面)

●SUV×ワゴン、スズキが小型車(朝日・7面)

●大手冬ボーナス、88万円(産経・10面)

●「24時間最大料金」は条件付き、コインパーキング、高額請求ご注意(産経・20面)

●マツダ・ロータリーエンジン開発、山本健一さん死去、評伝「技術に満足しては駄目だ」(東京・24面)

●インドにEV、20年めど。スズキ、充電設備も整備(日経・11面)

●ヤマハ発、四輪車、投入21年以降、耐久性の検証に時間(日経・14面)

●昨年生産の乗用車、自動ブレーキ搭載6割超、点検・整備体制の強化必要(日経・38面)

ひとくちコメント

「デビュー当時からのファンでね。海外出張に出かけるときも、必ず、青江三奈の曲をカセットテープに吹き込んで持って行くんですよ」。

一見すると、鋭い眼差しで技術者気質が漂う頑固一徹のような印象を受けるが、大ファンの演歌歌手の話になると目じりを下げて嬉しそうな表情を浮かべていた笑顔が忘れられない。

世界で初めて量産を実現した「ロータリーエンジン」の“生みの親”として知られる山本健一さんの訃報を受けて、そんなエピソードがよみがえってきた。

山本さんと取材で初めて会ったのは、30年余り前、マツダの新社長に就任直後で、当時、『財界誌』で自動車業界を担当していたときだった。個人的にもロータリーエンジン搭載の『ファミリアプレスト』を愛車にしていたこともあり、その開発者から直接話を聞けるだけでも感動したが、山本さんが生き甲斐のロータリーエンジンの「開発物語」よりも、第一印象とは想像もつかなかった人情味あふれる“秘話”だった。

当時、「ブルース演歌の女王」と呼ばれた人気歌手の青江三奈と「伊勢崎町ブルース」をデュエットしたときに、感激して歌詞をすっかり忘れてしまったことや、学生時代にバイオリンやマンドリンを習っていたことから、終戦直後の混乱期、トランスミッションの組立工として東洋工業(現マツダ)に入社当時、山本さんのアコーディオン伴奏で、現場の仲間たちと「のど自慢大会」を開いて親睦を深めたことなどを照れながら話してくれたことを思い出す。

山本さんは旧東京帝国大学(現東京大)第一工学部機械科を卒業したエリートの技術者で、ロータリーエンジンを世界に先駆けて量産化した「飽くなき挑戦」は、立志伝中の本田宗一郎氏や創業家の豊田英二氏とは生きざまは異なるが、共に戦後の日本の自動車業界に変革をもたらした中心的な役割を担ったフロントランナーでもあった。合掌。

《福田俊之》

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