OEM性能・品質の製品をアフターマーケットでも提供、 クローバーターボ の強みとは…社長インタビュー

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クローバーターボ 代表取締役社長 閏間一徳氏
クローバーターボ 代表取締役社長 閏間一徳氏 全 23 枚 拡大写真

年に一度のクルマの祭典、東京オートサロン2018の会場でクリーンな四つ葉のクローバーのロゴマークが光るブースがあった。

2度目の出展となる「クローバーターボ」という名のターボチャージャーメーカーのブースだ。スポーティ、マッシブ、スピード、パワー、トルク…というチューニングカーのキーワードとはひと味違った雰囲気を放つクローバーターボのブースは、グリーンを基調としたエコロジーな香りに包まれていた。

この注目のターボブランド、クローバーターボの詳細を知るべく、代表取締役社長の閏間(うるま)一徳氏に東京オートサロンの会場で話を聞いた。

◆2014年設立、精度の高い再生ターボも

----:クローバーターボはいつからスタートしたブランドなのでしょうか?

クローバーターボ 閏間一徳社長(以下敬称略):クローバーターボというブランドそのものは2012年にスタートしています。IHIは自動車メーカーのサプライヤーとして納品する業務ですが、クローバーターボはリプレイス用のターボのブランドとしてスタートしました。最初はIHI内のブランドでしたが、2014年4月にIHIが100%出資するグループ企業としてスタートしています。

----:クローバーターボでもIHIのターボを販売しているのでしょうか?

閏間:クローバーターボで扱うものはクローバーターボのブランドとなり、当社のロゴマークである四つ葉のクローバーのバッジが取り付けられます。もちろん、IHIと同スペックの製品もありますが、あくまでもブランドとしてはクローバーターボのものとなります。

----:純正同スペックをIHIとクローバーターボの両方で販売するということになるのですね。

閏間:IHIの製品は基本的に自動車メーカー納入。クローバーターボはそのほかの販路で売られます。それとIHIでは行っていないリマニファクチャリング品と言われる再生ターボをクローバーターボでは扱っています。

----:リマニファクチャリング品とはどのようなものですか?

閏間:リマニファクチャリング品は、不具合が出たターボを再生して使えるようにしたものです。ターボはハウジングと呼ばれる外側のパーツとタービンやコンプレッサーの羽根の部分、その羽根を接続しているシャフト部分などから構成されています。

ターボに不具合が発生してもハウジングが原因で起きる不具合はまずないため、ハウジングの状態を確認したうえで再生したものです。センターセクションと呼ばれる回転する主要パーツや可動部分は基本的に新品パーツと交換して性能を確保します。再生後にはもちろん新品同様の検査を行い、遜色ない部品として出荷します。

----:リマニファクチャリングパーツは世界的に需要のあるものなのでしょうか?

閏間:リマニファクチャリングを歓迎してくれるのは日本を中心としたアジア地域です。とくに日本では物を修理、修繕して大事に使うという文化がありますから、リマニファクチャリング品についての理解も高くなっています。

◆需要のピークはこれから

----:世界的な流れとしてエンジンのダウンサイジング化が進み、それに伴ってターボの採用率も上がっているので需要も増えるはずですね。

閏間:電気自動車化が進んでいるとはいえ、まだまだエンジンは自動車の動力源としてメインの存在です。そのなかでターボの採用率は今後も上昇していきます。ピークはこの後数年で訪れるでしょう。当社のリマニファクチャリング品は修理用品なので、ターボエンジンの需要がピークを迎えたその後に山場がやってくるはずです。

----:チューニング用ターボはどういった動きなのでしょうか?

閏間:クローバーターボブランドとしての、チューニング用は始めたばかりで歴史が浅いのですが、当社にはIHI時代から蓄積している膨大なデータがありますので、さまざまなタイプのターボを開発、製造することが可能です。今回出品した『アルトワークス』用のターボはそうした製品の一例です。

また、東名パワードさんとは従来からコラボレーションしてチューニング用ターボの開発を行っています。また、具体的な名前は出せないのですが、数社のチューニングメーカーさんからお声がけをいただいて開発に協力しています。

◆高クオリティと小回りの良さを武器に

----:クローバーターボの強みはどういった部分になりますか?

閏間:まず第一にIHIグループであるからこそのノウハウです。IHIは1950年頃から車両ターボの開発を行ってきました。ターボは自動車用パーツとしては製造メーカーが少なく、世界でも10-15社、そのうちメジャーなのは4-5社です。ターボは難しい分野で、物理学、流体力学、重工業系技術などが求められます。クローバーターボはそのすべてを高いレベルで有しています。

そしてIHIの子会社となったことで小回りが効くようになりました。IHIのような大きな会社ではなかなか小ロットの受注は受けにくいものなのですが、クローバーターボでは小ロット受注をIHIのクオリティで受けることができます。

----:自然吸気エンジンが多かった時代は、ボルトオンターボで大出力を得ることが多かったのですが、現在の高出力エンジンはターボエンジンが主流だと思います。そうしたターボエンジンのチューニングはどういう方向性になるのでしょうか?

閏間:純正ターボとトレードインしたチューニングが主流になってくると思います。現状は純正でIHIターボを採用しているエンジンでのトレードインが主ですが、それ以上に狙っているのは純正でIHI以外のターボを採用しているエンジンで、クローバーターボとトレードインすることで性能アップができるというケースです。

----:今後、クローバーターボはどのように事業を発展させていかれるのでしょうか?

閏間:現在は自動車用ターボを主流とした事業を行っていますが、今後は自動車用にこだわることなく、汎用エンジン、船舶用エンジン、ATVなどのオフロードアプリケーション用エンジンなどにも積極的に関わっていきたいと思っています。

創立からわずかな時間しか経っていないクローバーターボだが、その事業拡大のスピードと底力は想像を超えるレベル。来年、再来年のオートサロンではクローバーターボを装着したチューニングカーが数多く登場するかもしれない。

クローバーターボのホームページはこちら

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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