2018年春闘、一時金要求の明暗…明:トヨタ6.6か月、ホンダ6.2か月、暗:日産5.8か月[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年1月30日付

●働き方改革火花、衆院予算委「脱時間給」扱い焦点(読売・3面)

●ホンダ労組一時金6.2か月要求へ、トヨタ労組はベア3000円要求案組合員に提示(読売・10面)

●タクシーサービス新機軸続々(読売・15面)

●楽天、損保事業に参入、会員囲い込みへ多角化(朝日・6面)

●クルマの世紀、EVの新価値観が心をつかむ、GLMエンジニア山川達也さん(朝日・15面)

●旅行大手、訪日客誘致へ知恵絞る、途中下車可の観光バス、サイトでガイドを検索(毎日・4面)

●五輪で首都高渋滞1.8倍、物流業界「時間変更厳しい」都と組織委「対策なければ」(産経・28面)

●メトロ車内でBGM、日比谷線で試験放送(東京・7面)

●日産は一時金要求下げ、自動車労組案固まる(日経・15面)

●ドル安、長期化観測強まる、トランプ発言意に介さず(日経・21面)

ひとくちコメント

安倍晋三首相がデフレ脱却に向けた「3%賃上げ」を強く要請するなかで、2018年春闘がスタートし、早くも労使間の駆け引きが本格化している。

きょうの読売、毎日、産経には、労使のキーマンとして、経団連の工藤泰三副会長と連合の神津里季生会長をセットでインタビューした記事を掲載。工藤副会長は「一時金踏み込み可能」(読売)、「アウトプット最大に」(毎日)、「3%賃上げの広がり期待」(産経)。それに対し、神津会長が「月例賃金増こそ重要」(読売)、「労働者に成果配分を」(毎日)、「底上げ重視し4%を要求」(産経)などと、それぞれの主張を取り上げている。

すでに、自動車メーカーなどの労働組合でつくる自動車総連では18年春闘でベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として「月3000円以上」を統一要求する方針を正式決定しているが、個別メーカーの労働組合の一時金(ボーナス)要求額も相次いで明らかになっている。

きょうの各紙にも要求額が報じられているが、このうち、読売や日経などによると、ホンダの労組が年間一時金として、基準内賃金の6.2か月分を要求する方針を固めたことを伝えている。前年の5.9か月分から引き上げるという。

一方、日産自動車の労組は年間一時金として、前年の6.0か月から引き下げて基準内賃金の5.8か月分を要求する方針を固めたという。日産がボーナスの要求額を引き下げるのは、原材料価格の上昇や昨年秋の資格のない従業員に完成車両の検査を行わせていた問題が発覚し、業績にマイナス影響を与えているからだと分析している。

さらに、日経は「賃金交渉'18」とのタイトルで囲み記事を掲載。「産業界の賃金交渉や相場を主導してきたトヨタ自動車の立ち位置が変わりつつある」と前置きして「トヨタの賃金は既に高水準でもあり、今春の労使交渉ではこの目標に一定の距離を置く」と説明。「自動運転車など次世代技術の急速な普及で経営環境が激変しており、労使ともに足元は好業績でも先行きには危機感が強い」などと取り上げている。

そもそも民間企業の労使交渉に一国の総理がくちばしを挟むこと自体、不自然なことだが、トヨタは安倍首相の「3%賃上げ」に振り回されずに独自のスタンスを貫く方針だ。ちなみに、トヨタ労組の一時金要求額は6.6か月、前年は6.3か月要求で満額回答だった。

《福田俊之》

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