破断面に空洞…JR東海がキハ85系台車亀裂の調査結果を公表

鉄道 テクノロジー
台車の外側から見た亀裂の状況。亀裂の幅は5~7mmで、それを上部から見ると24.3cmに及ぶ長さの亀裂が車軸と平行に走っており、貫通していた。
台車の外側から見た亀裂の状況。亀裂の幅は5~7mmで、それを上部から見ると24.3cmに及ぶ長さの亀裂が車軸と平行に走っており、貫通していた。 全 2 枚 拡大写真

JR東海は2月6日、紀勢本線の特急『(ワイドビュー)南紀4号』の回送列車で1月21日に発見された、キハ85系特急型気動車の台車亀裂に関する調査結果を公表した。

亀裂は、先頭車(4号車)の台車にある、車輪を回す「車軸」の両端を収める「軸受」と呼ばれるものを支持する「軸箱体」で発見されたが、JR東海が鉄道総合技術研究所(鉄道総研)の協力により、部品ごとに解体して詳細な調査と原因分析を行なったところ、軸箱体の中央付近に長さ24.3cmの亀裂が車軸と平行に入っており、貫通しているのが確認されたという。

そのうえで、亀裂箇所の破断面も調べた結果、製造時に、溶けた鉄を型に流し込み凝固させる過程でできたと思われる、幅11mm・高さ3mm程度の空洞と、「ビーチマーク」と呼ばれる、円弧状のスジ模様が認められた。ビーチマークは、一般的に金属疲労による破壊が起こる際に、破断面に出るものだという。

この調査結果を受けてJR東海では、空洞部分から振動や荷重などによる力が集中的にかかり、車両内側から外側に向けて亀裂が進行していたのではないかと推定している。

今後の対策としては、通常行なっている10日以内の検査周期を3~4日程度に短縮して目視点検を継続。暫定措置として、同時期に同一メーカーが製造した軸箱体605個については、赤い浸透液を塗ることで微細な傷の有無を調べる浸透探傷検査を3月末までに、亀裂の発生や進行を抑える金属板の取付けを4月末までに、それぞれ実施するという。

あわせて、今年度内には恒久対策としてX線透視検査を行ない、空洞などが発見された場合は、軸箱体を交換するとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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