トヨタの決算説明会、現場一筋の河合副社長が「競争力を支えるモノづくり」で“講演”[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年2月7日付

●株続落1071円安、NY株荒い値動き (読売・1面)

●眞子さま結婚延期、20年に「準備、余裕ない」(読売・1面)

●トヨタ最終益2,4兆円、3月予想上方修正、米減税受け、最高更新見通し (読売・8面)

●「エヌボックス」5か月連続首位、1月販売台数 (読売・8面)

●北陸で大雪、福井・積雪136センチ (朝日・1面)

●高級スポーツカー SUV続々、ランボルギーニなど、新型モデル(朝日・9面)

●日産・東レの不正「調査不十分」指摘、弁護士ら検証体制チェック (朝日・9面)

●聞きたい、真の再生につなげるカギは?三菱自動車・池谷光司副社長「攻めと守りバランス大事」 (朝日・12面)

●中国消費けん引役に陰り、車販売大手8社が減少 (日経・11面)

ひとくちコメント

米ダウ工業株30種平均が史上最大の下げ幅を記録した流れを受けて、日経平均株価も急落し、取引時間中の下げ幅が一時1603円をつけるという過去にあまり経験したことがないようなビックリする場面もあった。

そんな荒っぽい値動きの1日だったが、東証の取引終了直後には、トヨタ自動車が、2018年3月期の第3四半期決算を発表。連結純利益(米国会計基準)が前期比31%増の2兆4000億円と、16年3月期以来、2年ぶりに過去最高になるとの見通しも明らかにした。

売上高も5%増の29兆円を見込み、従来予想の28兆5000億円から上方修正し、過去最高になる。グループの世界販売台数は1030万台を見込んで、これまでの計画(1025万台)から上振れる計画だ。

きょうの各紙も、「トヨタ 最高益2.4兆円、今期最終、米減税押し上げ」(日経)などのタイトルで1面や経済面などに分析記事を取り上げている。

純利益予想の2兆4000億円は、日本企業としての過去最高を2年ぶりに更新することにもなるが、米国の法人減税に伴い税負担が想定より軽くなる効果が大きく、その大半は今期限りのことで、先行きは不透明。

このため、各紙には「トヨタ将来にリスクも」(朝日)、「一過性の側面強く」(毎日)、「本業失速晴れぬトヨタ」(産経)などと、懸念材料も山積しているという解説記事もみられた。本格化する春闘を控えて「賃上げ」をけん制する動きとの見方もある。

それはともかく、今回の決算説明会には、この1月1日付で筆頭副社長に就任したCFOの小林耕士氏と経理本部長の白柳正義専務役員、それに、工場統括の河合満副社長も同席した。河合氏といえば、中学を卒業後にトヨタの技能職養成校「トヨタ工業学園」に入学、卒業後には製造現場を一筋に歩み、2015年4月に技能職として初めて専務役員に抜擢され、昨年4月に副社長に就任した。

その河合副社長が、「トヨタの競争力を支えるモノづくり」について決算説明会の場としては異例の”基調講演”を行った。約10分程度の講話だったが、電動化、コネクティッド、自動運転など「100年に一度の大変革の時代」に突入。現場ではロボット技術の進化で自動化が進んでいるが、トヨタ生産方式では熟練を重ねた「匠の技」の技能をロボットに織り込むことが重要であり、これからも「課題や変化に挑戦し、やりきるモノづくり集団」を育て続けるなどと述べた。

最近は完成車の無資格検査問題の発覚など自動車産業に限らず、モノづくりの現場での不正行為などが相次いでいる。半世紀にわたり現場を経験し熟知した”たたき上げ”の河合副社長による”喝”は、どこの会社の誰よりも説得力がありそうだ。

《福田俊之》

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