幻の童夢 零やサファリ優勝ブルなどの特別展示車両…ノスタルジック2デイズ

自動車 ニューモデル モーターショー
日産ブルーバード1600SSS
日産ブルーバード1600SSS 全 39 枚 拡大写真

ノスタルジック2デイズでは、イベント主催者である芸文社の旧車専門誌『ノスタルジックヒーロー』の表紙を飾った車両や誌面で紹介された車両なども展示。来場者の熱い視線を浴びていた。

以下、悲劇のスーパーカー童夢『零』&童夢『P2』やサファリラリー総合優勝の日産『ブルーバード』、SUPER GTドライバー・松田次生選手の愛車の1台であるニスモ400Rなど、ふだんはめったに見られない車両を紹介しよう。

●童夢零

1978年にスイスで開催された第48回ジュネーブモーターショーで初公開され、大反響に。世界中から多くの購入注文が入ったが、運輸省(現国土交通省)との軋轢(あつれき)によって市販化が見送られた悲劇のスーパーカー。エンジンは日産「L28」型6気筒SOHCエンジンをミッドに横置き搭載。ボディパネルは軽量なFRP製で、リトラクタブル・ヘッドライトやガルウィングドアを取り入れている。ショーモデルの1台のみが製作。

●童夢P2

アメリカで認定を取得すべく、同国の法規に準じた仕様とした追加試作車。順調に開発が進んでいたように見えたが、こちらも計画が途中で頓挫(とんざ)。結局発売に至らなかった。ボディパネルは新たにデザインし、フロントバンパーは大型化。シャシーはスチール・モノコックから鋼管スペースフレームに変更している。展示車両は2台が製作されたうちの1台で、実走可能な状態に保たれている。

●日産チェリークーペX1レース仕様

排気量を1171ccから1298ccに拡大し、ルーカス製の燃料噴射装置の採用などによって135馬力までスープアップしている。ゼッケン18のこの個体は日産ヘリテージコレクションに保管されているもので、長谷見昌弘氏が乗って1973年の日本グランプリ(Ts-aクラス)に出場したマシン。

●トムス・スターレット(KP47)

『KP47スターレット』は、富士GCシリーズ TS部門で75年、76年、78年と3度のシリーズチャンピオンを獲得したマシン。この個体はトムスによって保管されていた「3K-R」型エンジンを、程度の良い車体に搭載してフルレストアされたもの。1293ccで220馬力を発生する。絶番部品はトムスで復元したが、ウインドウガラスなどのパーツ入手は困難を極(きわ)めたという。現在『ノスタルジックヒーロー』誌で連載中。

●日産ブルーバード1600SSS

1970年に開催された第18回東アフリカ・サファリラリー優勝車。総合、クラス、チームの各部門を制し、日本車初の3冠完全制覇を達成した。ゼッケンナンバー4はハーマン/シュラー組で、フロントフェンダーのヘコミなどがそのなまま。往時の奮闘ぶりがうかがえる。この模様を描いた石原プロモーションによる映画『栄光への5000キロ』も制作された。

●日産スカイラインHT2000GT-R

「最強のGT-R使い」と呼ばれるSUPER GTドライバー・松田次生選手の愛車、ハコスカ。「高齢のため、大切に乗り続ける人に譲りたい」という前オーナーから渡った個体。『ノスタルジックヒーロー』誌では「(最初は)アクセル2、3回あおってガソリンを送った後にセルを回す。そんなことも知らなかった」と、現代のドライバーならではのコメント。ほとんどオリジナル状態をキープし、ミシュランのクラッシックタイヤが良い雰囲気。

●ニスモ400R(BCNR33)

こちらも松田選手の愛車の1台。「R33スカイラインGT-R」をベースに、ニスモによるチューニングが施されたコンプリートカー。「RB26DETT」型をベースに日産工機製のクランクを組み込み、排気量を2800ccに。N1仕様メタルタービンやインタークーラーの大型化、専用ECUなどによって400馬力を生み出す。車両価格が1200万円と高価なこともあり、55台の生産に終わっている。

《嶽宮 三郎》

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