トラックで死亡ひき逃げを起こした男、過失致死については無罪の判断

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トラックで被害者を約600mに渡ってひきずって死亡させた男について、裁判所はひき逃げについて有罪と判断したが、事故の予見性がないことを理由に過失致死については無罪と判断した。

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2014年7月に愛知県小牧市内の県道で死亡ひき逃げ事件を起こしたとして、過失致死やひき逃げの罪に問われていた69歳の男に対する判決公判が7日、名古屋地裁で開かれた。裁判所は過失致死については無罪と判断している。

問題の事故は2014年7月23日の午前10時15分ごろ発生している。小牧市下小針中島3丁目付近の県道(片側1車線)で、自転車で道路を横断していた83歳の女性に対し、交差進行してきた大型トラックが衝突。女性は約600mに渡ってひきずられ、全身強打が原因で即死した。

警察は後に瀬戸市内に在住する65歳(当時)の男を逮捕。男は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)や道路交通法違反(ひき逃げ)の罪で起訴されたが、公判においては「人をひいた認識がない」として無罪を主張してきた。

7日に開かれた判決公判で、名古屋地裁の山田耕司裁判長は「現場には街路樹があって見通しが悪く、女性の進行方向も衝突の直前までは予測しにくい状況だった」と指摘。「被告も女性の姿を確認しておらず、優先道路を走行していることもあり、事故発生を予測していないかぎりはブレーキを掛ける義務はなかった」として、過失致死については無罪とした。

一方でひき逃げの罪については「事故直後に停車して確認したり、洗車するなどしており、人身事故を起こした認識は有していた」と指摘。この部分については罪の成立を認め、懲役1年(執行猶予3年)と、罰金50万円の有罪判決を命じている。

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現場となった区間は街路樹でトラック側からの視界が遮られており、横断者の姿が確認できない=事故発生(衝突)を予見してブレーキを掛けることはできないと判断されたようだ。

過失致死では無罪となったものの、被告が事故を起こした後に車両確認を行っていたり、洗車をしていた事実があるため、「事故を起こしたことを認識していた(それにも関わらず、通報することなく逃走していた)」と判断。こちらは有罪となっている。

《石田真一》

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