JR東日本所有の戦前製電気機関車が重文指定へ---ED40形とED16形の2両

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重文指定されることになったED40 10。
重文指定されることになったED40 10。 全 2 枚 拡大写真

JR東日本と公益財団法人東日本鉄道文化財団は3月9日、JR東日本が所有している戦前製の電気機関車2両が、国の重要文化財に指定される運びになったことを明らかにした。正式な指定は官報の掲載後となる。

指定されることになったのは、1921年鉄道省大宮工場製のED40形10号機(ED40 10)と、1931年三菱造船神戸造船所製のED16形1号機(ED16 1)。

JR東日本が所有する保存車両への重要文化財指定は、鉄道博物館に保存されているナデ6141号電車が昨年に指定されて以来となる。

ED40 10は、北陸新幹線高崎~長野間が開業した1997年10月に廃止された、信越本線横川~軽井沢間の急勾配区間で使用されていた、鉄道省(国鉄)初の本線用国産電気機関車。同区間は、1000m走って66m上がる、1000分の66という急勾配のため、1963年までは線路上にラックレールと呼ばれる歯型状のレールが設置されており、これに対応して、歯車状の車輪を持った機関車だった。

同型の機関車は、横川~軽井沢間の無煙化を目的に14両が製造されたが、後継機のED42形が登場したことにより、1951年までに全車廃車され、一部は私鉄へ譲渡された。

ED40 1は、1944年に東武鉄道(東武)へ貸与され、日光軌道線で使用されるようになったが、1948年、正式に東武へ譲渡。ED4002、ED602と改番されたが、1968年の廃車後は、国鉄大宮工場でオリジナルスタイルに復原された。

その後、準鉄道記念物に指定され、2007年10月に開館した鉄道博物館(さいたま市大宮区)で保存されるようになった。

ED16 1は、おもに中央東線や上越線、阪和線などで使用されたデッキ型の貨物用機関車で、同型の車両は18両が製造された。

国鉄が民間と共同設計した機関車で、国産電気機関車の普及に大きな役割を果たした。晩年は立川機関区に配置され、青梅線でセメント列車に使われていたが、1980年10月に廃車され、同年に準鉄道記念物に指定。東京都青梅市の青梅鉄道公園で保存されている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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