【スーパーフォーミュラ 鈴鹿テスト】初日は小林可夢偉と中嶋一貴がセッション1番時計を分け合う…総合首位は可夢偉

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小林可夢偉(左)と中嶋一貴(右)が初日のセッション1番時計を分け合った。
小林可夢偉(左)と中嶋一貴(右)が初日のセッション1番時計を分け合った。 全 8 枚 拡大写真
全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の今季第1回公式合同テストが12日、鈴鹿サーキットで始まった。初日は午前セッションのトップタイムを小林可夢偉が、午後のそれは中嶋一貴が記録。1番時計同士の差は0.019秒で、可夢偉が総合トップだった。

前日まで開催されていた鈴鹿ファン感謝デーでもフリー走行やデモレースがあったSF。この日からの2日間は、より緊迫度が増す公式合同テストとなる。初日は10時15分~12時15分と15時00分~17時15分、2回合計4時間強の走行セッションがドライコンディションのもとで実施された(便宜上、1回目を午前セッション、2回目を午後セッションと呼ぶ)。

出走は11チーム全19台。今季レギュラードライバー未発表の2台、#50 B-Max Racing team(エンジンはホンダ)にはJ.マーデンボローと千代勝正が、#7 UOMO SUNOCO TEAM LEMANS(トヨタ)にはO.ローランドが起用された。昨日のデモレースを休んだ#2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)は戦列に復帰。また、#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)と#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)は他カテゴリーとの日程の兼ね合いで初日のみの参加となる。

2回目のセッションに車両回収のための赤旗中断が多発したが、全体としては各陣営が淡々、粛々とセットアップの煮詰めを進めていた印象の一日だった。そのなかでトップタイムをマークしたのは、午前が可夢偉、午後が一貴という“初日のみ組”のふたり。タイムは午前の可夢偉が1分36秒122、午後の一貴が1分36秒141だった。

あくまでもテスト、まだ初日であり、しかも今季からはドライタイヤがソフト/ミディアムの2スペック化され、さらにはオーバーテイクシステム(OTS)使用に関しても陣営による対応の違いがあったとのことなので、通常のテスト以上にタイムと順位を鵜呑みにすることができないのは大前提だが、今年、SFとSUPER GT、世界耐久選手権(WEC)を3シリーズ並行で戦うトヨタの看板ドライバー2人が先制を決めた格好だ。

総合トップは0.019秒差というSFらしい僅差で可夢偉。チーム移籍2年目となる可夢偉は、「1シーズン走ってきているので、昨年の開幕前の状況とはずいぶん違います」と、自身とチームの“スタート位置”の高さを強調する。これは可夢偉担当のエンジニアで、他チームでのチャンピオン獲得歴もある腕利き、笠井昭則さんも同調するところだ。笠井さんは「やはり限界が高いですから」と可夢偉を評してもいる。

午後のセッションでは、流れのなかでソフトタイヤでの最終アタックをしなかった可夢偉陣営。走行を終えた可夢偉は「(全体として)わるくないと思います。方向性は確認できました。良くなっていったところを午後にタイムで確認することはしなかったわけですけどね」と語り、「1分35秒台真ん中くらいは見えていた?」との問いには「僕は33秒台を見ていました。いや、言い過ぎましたね。35秒台の下(前半)くらいが見えていた、そう書いといてください(笑)」と、笑顔で微妙な答え。明日は不在となるだけに、ライバルへの牽制球的な意味合いもあるコメントを残し、好感触であること窺わせた。

もちろん目指すはSFでの初ポールと初優勝、「どっちもです」と可夢偉。期待高まる今季の船出となった。

一方の午後トップ、総合2番手タイムの一貴は昼の段階で「(午前は7番手タイムで内容的にも)正直、あまりいい状況ではないですね」と語っていたのだが、様々な要素も込みのなかで午後に結果を残してきたのは流石。こちらは4年ぶり3回目の王座を目指して今季を戦う。

可夢偉と一貴に続く初日の午前午後総合3番手タイムは2016年王者の#2 国本で、1分36秒178。これも僅差の範疇だ。またホンダ勢のトップは新人の#6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がマークした1分36秒451で、彼は午前午後総合5番手だった(ホンダ勢は全般にOTS不使用だった模様で、松下は不使用を明言)。松下は「自分で考えてきたメニューに取り組みました。自分としてはハッピーです」と語っており、期待の新人も順調に歩を進めている模様だ。

テストは明日(13日)まで実施される。2日目は9時と15時から各2時間の走行セッションが予定され、各陣営が開幕に向けてさらに作業を進行していくなか、セッション終盤にはソフトタイヤでのタイムアタック合戦も見られそうだ。

《遠藤俊幸》

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