日本車「追い風」それとも? 中国、自動車の外資規制撤廃発表[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年4月18日付

●中国、車の外資規制全廃、22年まで段階的に、米との摩擦回避狙う(読売・1面)

●タカタ、返済率4%程度に、50万円超部分、車メーカーへは先送り(読売・8面)

●日産・ルノー、資本関係見直し検討、ゴーン氏、たくさんの可能性(読売・9面)

●ソフトバンクグループ、939億円申告漏れ、租税回避地の子会社所得、国税指摘(朝日・1面)

●香川のローカル線に京急、車両を赤と白でラッピング(朝日・25面)

●自動運転半導体競争、ルネサス反攻狙う、ゲームなど異分野参入、海外勢先行(毎日・7面)

●米で事故防止システム、トヨタ、レクサスに搭載(毎日・7面)

●住商が「スマート工場」日産EV電池を再利用(毎日・7面)

●きょう日米首脳会談、首相渡米、柳瀬氏明恵氏ら同行(東京・1面)

●純利益世界で3割増、10位内に中国4社、米と拮抗(日経・1面)

●官民でEV次世代電池、トヨタ・パナソニック、経産省支援、高効率、簡単組み立て(日経・5面)

●ホンダ中国販売苦境に、看板車種でリコール3月13%減、当局対応読めず、長期化も(日経・13面)

ひとくちコメント

中国が自動車メーカーなどの外国企業の出資制限を2022年までに撤廃することを決めたという。中国政府が発表したもので、きょうの読売が1面トップで「中国、車の外資規制全廃」と報じたほか、各紙も1面、経済面などで大きく取り上げている。

それによると、世界最大市場の中国では、これまで外資系の自動車メーカーが国内で操業する場合、中国のメーカーとの合弁会社をつくることを義務付け、50%を超える出資は認めていない。この出資制限について、中国の国家発展改革委員会は、電気自動車(EV)などの新エネルギー車は2018年中に、商用車は2020年、乗用車は2022年と、自動車業界のすべての制限を段階的に撤廃していくという。

このタイミングでの発表については「米国との貿易摩擦が激化する中で、市場を開放する姿勢をアピールする意図がある」との見方が強い。

では、日本車メーカーの反応はどうなのか。中国での販売台数が日本車メーカーで最も多い日産自動車は「中国の消費者の利益につながる環境作りが進むことを期待する」とコメント。制限撤廃で経営の自由度や収益力が高まる可能性があると歓迎している。

一方で、毎日などは「合弁先の現地企業と生産・販売の両面で良好な関係を築いてきた経緯があり、『関係を悪化させるような対応はできない』との観測も浮上。効果を疑問視する見方も出ている」と伝えている。

日経は「中国発車再編の可能性」とのタイトルで「中国内の合従連衡に加え、競争力向上を急ぐ中国メーカーの海外買収も起きる。中国企業が起点となって世界の自動車業界の再編が進む可能性がある」との外資系調査会社のアナリストのコメントを取り上げている。

市場開放で外資メーカーの中国戦略の自由度が高まることにもつながるが、それに乗り遅れないかどうかの駆け引きを含めた競争が一段と激化する。

《福田俊之》

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