1時間以上飛行できる「ハイブリッド」ドローン 元ホンダ社員が作った会社が開発

航空 テクノロジー
石川エナジーリサーチが開発したハイブリッドドローン
石川エナジーリサーチが開発したハイブリッドドローン 全 2 枚 拡大写真

群馬県太田市に本社を構える石川エナジーリサーチは画期的なドローンを開発、「国際ドローン展2018」(18~20日、幕張メッセ。主催:日本能率協会)に展示した。そのドローンはエンジンとモーターの両方を使った“ハイブリッド”式駆動で、日本初だ。

同社は2010年、元本田技術研究所の社員を中心に設立されたベンチャー企業で、エンジンや空調などの研究を始めた。2016年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画したことをきっかけに、ドローンの本格的な開発に着手したという。

まず農薬散布のためのバッテリー交換式ドローンを製作。すると、あるドローンメーカーからドローン用のエンジンを作って欲しいという依頼が舞い込んだ。そこで350ccのガソリンエンジンを自社開発した。「水平対向で、振動を左右でキャンセルするようになっており、振動で機器の誤作動を起こさないようにしてあります」と同社関係者。

そのエンジンを搭載したのが今回展示したハイブリッドドローンだ。大きさは2650mm×2950mm×700mmで、重量は60kg。機体本体はマグネシウム合金でできており、32インチローターを6基搭載している。

「基本的にガソリンエンジンで発電してモーターを回すようになっています。バッテリーの電力は、風にあおられたりした時など、急にパワーが必要になった時にアシストするようになっています」と同社関係者は説明する。このシステムは日産自動車の「e-POWER」とほぼ同じだ。

最大の特徴は、長時間の飛行が可能だということ。通常のドローンはだいだい15~20分の飛行しかできないが、このハイブリッドドローンは1時間以上飛ぶことができるという。

「出展したものはプロトタイプで、今年度末までに量産を見据えたモデルをつくり上げ、販売していきたいと考えています。用途としては、農薬散布や測量、検査、物流などを想定していますが、ほかにもいろいろな用途を考えられます」と同社関係者は言葉に力を込める。価格は500万~600万円になる予定だ。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る