カワサキ「最多周回」への挑戦…鈴鹿8耐へ世界王者ジョナサン・レイ投入

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Kawasaki Team GREEN渡辺一馬(2017年鈴鹿8耐 )
Kawasaki Team GREEN渡辺一馬(2017年鈴鹿8耐 ) 全 5 枚 拡大写真

スーパーバイク世界選手権で3連覇中のジョナサン・レイが、今年の「2017-2018 FIM世界耐久選手権最終戦"コカ・コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)にKawasaki Team GREENから出場することで世界中から注目を集めている。チームの釈迦堂利郎監督は、今年の周回数を220周に据えたことを明かした。

鈴鹿8耐での最多周回数は2002年に記録された219周。ライダーは加藤大治郎とコーリン・エドワーズで、マシンはホンダVTR1000SPW。しかし、このときは2輪シケインは存在せず、サーキット全長は現在よりも短かった。しかもこの年のホンダは、通常のピットインが7回のところ6回作戦を敢行した。ライダーとチームのポテンシャルの高さはもちろん、速くて燃費のいいVTR1000SPWだからこそ成し得た快挙であり、現在の主流であるインライン4エンジンでは、燃費の面で219周ですら厳しいと言われている。

今年のKawasaki Team GREENは、この金字塔とも言える記録に挑戦するわけだが、釈迦堂監督はこの記録を狙う意味をこう語る。
Kawasaki Team GREEN釈迦堂監督
「昨年の鈴鹿8耐はセーフティーカーが介入しましたが、2016年の鈴鹿8耐は、レース中に一切のコースアクシデントがありませんでした。そこで我々は、優勝したYAMAHA FACTORY RACING TEAMと同一ラップの218周を走破して2位となりました。しかし、タイム差は約1周に匹敵する2分17秒あり、しかもYAMAHA FACTORY RACING TEAMにはまだ余裕がありました。こうしたことから、YAMAHA FACTORY RACING TEAMは219周を走破できる実力があると考えた方がいいわけで、優勝するためには220周走破が必要になるわけです」

では、その可能性はあるのだろうか。

「それを実現させるために、世界チャンピオンのジョナサン選手に来てもらうのです。昨年の戦いを振り返ると、怪我をしていたアズラン選手が決勝レースを走ることができず、レオン・ハスラム選手と渡辺一馬選手の2人で8時間を走りきり、そして2位になることができました。ここに世界王者が加わわれば、2人のライダーの負担は軽減できるでしょうし、アベレージタイムも上がってきます。2年連続で2位を得ることができて、いよいよジョナサン選手に出場してもらうためのチームの土台ができたと思っています」
ジョナサン・レイ
今年のKawasaki Team GREENはレイ、ハスラム、渡辺一馬での参戦が発表されているが、そのハスラムは「ジョナサンとは同じイギリス人で、一緒に鈴鹿8耐を戦うことになって頻繁にメールでやりとりしている。春先に鈴鹿サーキットでマシンテストをしたときも、マシンの調子とかタイヤのフィーリングなどに関して質問メールが届いたよ。彼はものすごく速くて強いライダーなので、少なくともKawasaki Team GREENは、鈴鹿8耐のタイトルを獲る権利があるチームだと思っているし、ジョナサンが加わる今年は大きなチャンスだ。そして優勝することができたらKawasakiファンにとってはこれ以上にないファンタスティックなことだろう。Kawasakiファン、鈴鹿8耐ファンの期待に応えられるようにしっかりと準備を進めて、すべてを賭けて戦うよ」と語る。

また、渡辺一馬は「3連覇チャンピオンと一緒に戦えることはとても光栄ですが、だからと言って浮き足だってはいないです。まずは全日本でリザルトを残しながら、しっかりと鈴鹿8耐用マシンを作っていきます。それが僕の当面の役目ですが、でも、事前テストでのレイ選手のファーストインプレッションは気になるでしょうね」と語るが、その渡辺はJSB1000クラスの第1戦、第2戦で表彰台に立っており好調だ。

鈴鹿8耐初開催から昨年の40回大会の歴史のなかで、Kawasakiが優勝したのは1993年の1回のみ。ライダーはスコット・ラッセルとアーロン・スライトで、このときはまだマシン排気量は750ccの時代だ。

世界チャンピオンのレイを迎えて25年ぶりの優勝を狙うKawasaki Team GREEN。鈴鹿8耐4連覇に挑むYAMAHA FACTORY RACING TEAM。鈴鹿8耐タイトル奪回に向けて10年ぶりにワークスチームのTeam HRCを復活させたホンダ。さらにメーカーに匹敵する実力を持つヨシムラスズキMOTULを含め、今年の鈴鹿8耐では、熱き時代のメーカーバトルが復活する。

《佐久間光政》

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