テンセントが仕掛ける新興EVがついに公道デビュー…北京モーターショー2018

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NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。
NIO『ES8』。北京市内のNIOディーラーにて。 全 13 枚 拡大写真

今回の北京モーターショーでは、既存の大手自動車メーカーとは出自を異にする新興メーカーがいくつも出展し、ひとつの潮流となっていた。そのなかでもトップランナーといえる「NIO」は、中国ITジャイアントの一角である「テンセント」が出資していることでも知られ、そのほかにもバイドゥ、京東(大手ECサイト)、セコイア、レノボなどが資本参加しているとされる。

NIOは派手なプロモーション活動で知られるところとなったブランドでもある。フォーミュラEへの参戦や、ニュルブルクリンクでの記録樹立(同社のスポーツカー『ES9』によるもの)などだ。

いっぽう実態を伴ったビジネスとしても、同社の量産SUV『ES8』7シーター版の納車がついに今年5月から開始されることが表明された。

さらに今回のショーでは、ES8の6シーター版(キャプテンシート仕様)の年内予約開始と、2019年上半期の納車を発表した。加えて、ES8の公道試乗会の開始をアナウンスした。モーターショー直後の4月29日の上海を皮切りに、中国全土をキャラバンする。

ES8のスペックは、航続距離はNEDC基準で335km、60キロ定速走行では500km。0-100キロ加速は4.4秒。価格は約45万元(約780万円)から。これに加えて、中央政府と北京政府により、72400元(約125万円)ほどの補助金が支給される。フル装備で10万元高いグレードもあるが、限定 1万台分は予約で完売とのことだ。

面白いのは充電方法で、通常のプラグインの充電のほか、電池を丸ごと交換する方法も公表されている。現実味のない話のように聞こえるが、他メーカーではあるが、すでに北京汽車が同様の方法でEVステーションを運用しており、中国国内においてはすでに実績がある。

ES8は、莫大な資金力と巨大市場、中国政府の政策によって誕生したEVだ。これまで現実味がないといわれてきたブランドだが、ついに今月から公道を走り始めることになる。
5月16日開催【北京モーターショー報告と中国のEV、自動運転セミナー】

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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