ジェイテクトは、5月8~10日に福岡国際会議場(福岡市)で開催された「アジア太平洋ITSフォーラム2018福岡」に出展。開発中のステアbyワイヤシステムの電動パワーステアリングとインホイルモーターによる協調技術や、高耐熱リチウムイオンキャパシタを紹介した。
紹介していたのは、「フューチャー・コンセプト・ヴィークル」として既に昨年の東京モーターショーにも出展されたもの。EPS(電動パワーステアリング)と駆動力との協調制御を手掛ける、総合力に長けたジェイテクトだからこそ実現できた技術だとする。
ステアbyワイヤシステムは、機械的なつながりが一切なく電子制御によりドライバーのハンドル操作を車輪に伝える操舵システム。車速や車両姿勢にきめ細かく応じた制御を可能とし、安全かつ快適な運転に貢献できるだけでなく、特に将来の自動運転には欠かせない技術でもある。
インホイルモーターは、車輪ごとにモーターを組み込んで自動車を走行させる技術で、ボンネット部分を大幅に小型化できる他、左右輪の駆動力配分や横滑り防止などに大きなメリットをもたらす。これも自動運転時代の快適、安全運転のカギとなる技術とも言える。
さらに、自動運転が実現した際、自動運転時にドライバーが車室内で快適に過ごせるよう、自動運転と手動運転を切り換える将来の技術として、「リトラクタブルコラム・モジュール」も組み込む。
そして、今回のフォーラムで一般向けに初公開となったのが「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」である(発表は2017年9月)。キャパシタは蓄電機能があるユニットのことで、一度蓄電してしまえば電源なしで動作できる特徴を持つ。
ジェイテクトでは製品のコンパクトな容積を活かして、たとえばEPSの非常用電源として活用を想定している他、千個単位の連結が必要にはなるが、停電下の電車を最寄り駅まで移動させるパワーユニットとしての活用方法も想定。2019年の量産化を目指しているという。