「磁気マーカシステム」による自動運転、愛知製鋼が実証実験を報告…ITSフォーラム2018福岡
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紹介された磁気マーカーシステムは、MIセンサを応用して路上埋設用/貼り付け用として開発したもので、トンネル内や高架橋下などGPSの電波が取得できない場所や、夜間/悪天候などカメラが認識できない状況でも安定して自車位置を特定できる特徴を持つ。磁気マーカーにはは円柱状で道路に埋め込むタイプと、路面に貼り付けるタイプの二つのタイプが用意された。このマーカー自体はきわめて微弱な磁力しか備えておらず、道路上に設置しても外部にまったく影響を与えない。
微弱な磁力であるため、重要となるのはその磁力を拾うためのレシーバーの性能だ。愛知製鋼は高感度レシーバーの開発に成功しており、これまでにも多くの実証実験を行ってきた。4月に実施された北九州学術研究都市での自動運転技術実証実験では、最高速度40km/hでの高速安定性の確認、左折時の制御調整で成果を上げたばかり。昨年12月には降雪地である道の駅「コスモール大樹」(北海道・大樹町)で実証実験を行い、積雪のある道路128kmを迷うことなく車両を誘導したという。
車両はいずれも先進モビリティが用意した自動運転バスで、「路車連携型」技術によってGPSやライダー、ジャイロセンサから収集した情報に基づいて自動走行。磁気マーカーセンサーは運転席真下付近に取り付けた。実験は運転手がハンドルに手を添え、運転支援となるレベル2の自動運転として進められた。
また、昨年11月に滋賀県東近江市にある道の駅「奥永源寺 渓流の里」を中心に行われた実証実験では、GPS不感地帯において200mの道路上に2m間隔で磁気マーカーを埋設。万が一のために助手席に運転手は乗車したが、この区間においては運転手不在のレベル4で走行する自動走行をのべ126kmにわたって成功したという。
会場では磁気マーカーセンサーを使った様々な応用例を「スマートシティ向けスマートロード」として紹介するパネルも展示。ここでは、空港での飛行機の誘導に磁気マーカーを使う例や、地下にあるターミナルでバスを正着させる例などを、模型を走らせて再現する形で紹介された。
《会田肇》
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