運転席に座らない「レベル4」の自動運転、その乗り心地は…ITSフォーラム2018福岡 | レスポンス(Response.jp)

運転席に座らない「レベル4」の自動運転、その乗り心地は…ITSフォーラム2018福岡

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KDDIは7日、福岡県で自動運転(レベル4)のデモンストレーションを実施した
KDDIは7日、福岡県で自動運転(レベル4)のデモンストレーションを実施した 全 6 枚 拡大写真
 自動運転技術により、人間がクルマを運転する必要がなくなったら?人は移動中の車内でテレビを見たり、雑誌や本を読んだりして気ままに過ごせるだろう。狭いガレージに車庫入れする、難しい縦列駐車をおこなう、といった苦労からも解放される。地方でインフラとして利用できれば、過疎地に住む人々の利便性も向上する。そんな未来は、近づいてきているのだろうか。

KDDIは7日、福岡県で自動運転(レベル4)のデモンストレーションを実施した

自動運転車、その乗り心地は?
 7日、KDDIは福岡県において自動運転(レベル4)のデモンストレーションを実施した。デモは、福岡県の西鉄自動車学校 バス研修センターの敷地内でおこなわれた。自動運転車にはトヨタエスティマを使用。屋根の上のレーダーで周囲を検知しながら、最大時速15kmで踏切、坂道、S字カーブ、交差点を通過していった。運転席は無人だが、適宜、遠隔地の監視スタッフによるマニュアルの操縦にも切り替えられる仕様になっている。

後部座席からの様子。無人の運転席では、ハンドルだけがまわり続ける

 実際に筆者も後部座席に乗車したが、乗り心地はとてもスムーズだった。無人の運転席で、ハンドルが器用に右に左にまわり続ける。さてコースの終盤、路上には予期せぬ障害物が置かれていた。そこで自動運転から、人の手と目によるマニュアル操縦に切り替わった。約10kmも離れた遠隔地(福岡国際会議場)から、スタッフがハンドルとアクセル / ブレーキを使って障害物を避けると、エスティマは再び自動運転に復帰した。

福岡国際会議場には遠隔監視卓を設置。約10kmも離れたこの遠隔地から、自動運転車を監視・遠隔操縦することができる



100km/hを出すには5Gが必須
 KDDIが通信環境の安定化を、KDDI総合研究所が通信の効率化や運用監視に関する技術の検討をおこない、ティアフォーが遠隔監視と制御システムの開発を、アイサンテクノロジーが自動運転用地図の作成と自動運転車の準備をおこなっている。KDDI ビジネスIoT企画部の原田圭悟氏と、KDDI総合研究所 執行役員の大谷朋広氏が概要を説明した。

KDDI ビジネスIoT企画部 部長の原田圭悟氏(左)とKDDI総合研究所 執行役員 コネクティッドネットワーク部門 部門長の大谷朋広氏(右)

 これまでクルマがおこなう通信と言えば、走行ログやABSデータのやり取りなど、それほど大規模なパケットを必要としないものだった。しかし自動運転車の時代になると、車載カメラの高画質な映像、高精細な3D地図のデータ、各種センサーからのデータなどをリアルタイムでやり取りする必要が生じる。このため、高速・大容量、多接続、低遅延の第5世代移動通信システム(5G)が必須になると原田氏は説明する。ちなみに今回のデモでは4G LTEと光ファイバーを使用したので、最高時速は15km/hに留まった。大谷氏は「5G時代には、車速100km/hでも安全に走行できるシステムを構築する」と説明している。

来たるべき自動運転車時代には、5G通信が欠かせなくなる

 ちなみに、内閣官房IT戦略室が定める自動運転レベルの定義では、ドライバーがすべてを操作する状態を「レベル0」とし、完全自動運転を「レベル5」(場所の限定なくシステムが全てを操作できる)としている。今回実現した「レベル4」は、特定の場所でシステムが全てを操作するもの。従来の「レベル3」とは違い、”万が一”に備えて運転席に人が座る必要がない。

内閣官房IT戦略室が定める自動運転レベルの定義

 このKDDIの自動運転車に関する取り組みは、福岡国際会議場(福岡市博多区)で5月8日から10日まで開催された「第16回 アジア太平洋地域ITSフォーラム2018福岡」においても展示された。一般来場の希望者には実際に遠隔で自動運転車を操縦する機会も与えられており、初日から大きな注目を集めているようだった。

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運転席に座らない「レベル4」の自動運転!その乗り心地は?

《近藤謙太郎@RBB TODAY》

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