「人とくるまのテクノロジー」のホンダブースは例年と違っていた。これまで主役は四輪車がほとんどだったが、今回は二輪車の『ゴールドウイング』。前面に2台並べ、うち1台はカウルやタンクなどを取り外し、内部をさらけ出したもので、一般公開するのは今回が初めてだという。
ゴールドウイングといえば、1975年に米国で初めて販売した大型バイクで、今回展示したのは6代目。17年ぶりにフルモデルチェンジし、4月2日に発売された。水平対向6気筒1800ccエンジンを搭載したホンダのフラッグシップモデルだ。
6代目のゴールドウイングには数多くの新技術が盛り込まれており、それを直に見てもらおうということで内部をさらけ出したものを展示したそうだ。エンジンは軽量コンパクトを図るために新設計し、新開発の二輪車用ダブルウィッシュボーンフロントサスペンションや第3世代デュアルクラッチトランスミッションを採用。これによって、取り回しのしやすさを大幅に向上させたとのことだ。
そのゴールドウイングの周りには常に人が集まり、興味津々に眺めながらスマホで写真を撮る人が続出していた。これには埼玉県朝霞市にある二輪R&Dセンター関係者も満足そうな表情を浮かべて、こう話し始めた。
「販売のほうも好調で、国内の年間販売目標500台を3週間で達成しました。米国でも非常に好調でお客さまに待っている状態と聞いています。現在、工場に早くつくってくれと追加生産を頼んでいるところです」
ホンダはこのゴールドウイングのほか、軽自動車『N-BOX』のフレームとハンディータイプの蓄電機「LiB-AID(リベイド)E500」を展示。N-BOXのフレームは高い全方位衝突安全性を誇る衝突対応技術や軽量化・高剛性化を実現したものだという。一方、蓄電機は「持ち運べる新しい電源のカタチ」ということで好評で、計画通りに売れているそうだ。
また、パネルで先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」や高速道自動運転システムについて紹介していた。ホンダ関係者によると、今回は人々の移動と暮らしの可能性を広げる安心・快適技術を、二輪・四輪・パワープロダクツを通じて表現したかったとのことだ。