垂直尾翼を小型化…室屋選手、レッドブル・エアレース 千葉に意気込む

航空 エンタメ・イベント
千葉大会へ向け、現在の心境を語る室屋義秀選手
千葉大会へ向け、現在の心境を語る室屋義秀選手 全 7 枚 拡大写真

「レッドブル・エアレース千葉 2018」が5月26日~27日に開催される。千葉市でエアレースが開催されるのは今年で4回目。昨年のワールドチャンピオンとなった日本人パイロットの室屋義秀選手が、“千葉大会3連覇”に向け、レース本番への意気込みを語った。

注目なのは千葉大会を迎えるにあたって、機体を大きくチューンナップしたことだ。今シーン初戦のアブダビでは昨年と同じ仕様で飛んだものの、第2戦のカンヌ戦ではエンジンのカウリングを新しいものにセットアップし、ウイングチップの取り付けをしてカンヌ戦に臨んだ。しかし、スピードは全体的に上がってきたものの、残念ながらカンヌ戦では4位となり、総合3位にとどまってしまっている。

そこで、その対策を施すため、「すぐに福島へ機体を移し、2週間以上新たなセットアップを行っていた。現在は垂直尾翼を小さいものに変更してテスト飛行も終了。これによって2018年シーズンをフルに戦える機体が完成した」(室屋選手)という。

垂直尾翼の小型化は飛行に影響は与えないのだろうか。これについて室屋選手は、「垂直尾翼が小さくなったので動きはよくなる一方で、その分だけ直進での安定性は下がっている。たとえばシケインでターンからの切り返しではコントロールが難しくなっている。しかし、福島でその辺の訓練を充分行った上で、実戦への投入を決めたので心配はしていない」と明かす。

気温についてはどうか。カンヌに比べて日本は湿度が高く、26~27日の予報では気温も結構高くなるとの予報が出ている。「今の段階では27°~25°ぐらいを予想しているが、それに合わせたセッティングを行っている。暑くて湿度が高いと我々としては苦しい展開になっていく。できれば涼しい方がいいけれども、予報通りならとりあえずはベストタイムが出せる範囲内と思っている」(室屋選手)という。

意外な返答が帰ってきたのは、千葉大会との相性だ。「実は去年と今年の千葉は、トラックとの相性がそんなに良くない。本当は2016年のコースの方が機体に合っていた」と明かしたのだ。つまり、室屋選手の機体は高速型にチューンしてあって、ミディアムスピードのトラックとした今年の千葉大会では本領は発揮できない可能性があるというのだ。

これについて室屋選手は、「その対策もしっかり行っているので物理的な問題は既にクリアとなっている。とはいえ、レース中は徐々に煮詰まってくるので、ヒートアップして苦しくなったチームを応援してもらえるとグッと踏ん張れる。自国開催というのはそんなメリットがある」とした。

千葉大会の開催に当たってどんな心境を迎えているのか。「千葉大会の日程がなかなか決まらなかったが、結果として開催が決まったのは日本人として嬉しい。2回目、3回目で優勝させてもらい、去年ワールドチャンピオンを取った後に、凱旋できることになったのホントに嬉しい気持ちでいっぱいだ」(室屋選手)と今の心境を語ってくれた。

そんな“千葉大会3連覇”に向け、応援してくれている多くのファンに室屋選手は、「千葉大会は今年で4回目ということで、お客さんもメディアも慣れているものと思う。機体のセットアップも2018年仕様になっているし、トレーニングも十分福島で行えているので、今は万全の体制と考えている。天候も良さそうなので、順調にいけば良い結果が出せるのではないかと思っている」と話した。

昨年に続く年間シーズン2連覇は成るか。千葉大会以降、今シーズンの室屋選手の活躍に期待したい。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  3. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】意外にもBEV版よりスムースで快適! 価格にも「親近感」…島崎七生人
  4. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  5. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  3. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
ランキングをもっと見る