大阪府の震度6弱、1923年以降で初…交通・物流への影響

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大阪府北部で起きた震度6弱の地震について解説する気象庁・松森敏幸地震津波監視課長
大阪府北部で起きた震度6弱の地震について解説する気象庁・松森敏幸地震津波監視課長 全 1 枚 拡大写真

6月18日7時58分頃、大阪府北部で最大震度6弱、地震の強さを示すマグニチュード6.1の地震が発生した。震源の深さは13km。(いずれも暫定値)

計測震度5.6=6弱相当の揺れを観測したのは、大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市の4か所。同5.5=6弱相当が箕面市。地震の発生した場所は、茨木市と高槻市の境周辺とみられる。京都府京都市、亀岡市など18の市区町村で震度5強を観測した。震度5弱~1は関東地方から九州地方の一部の広い範囲で観測されている。

大阪府で発生する強い揺れの地震は極めて少ない。気象庁が把握する1923年の記録以来、震度6弱以上は初めてだ。さらに、震度5以上で見ても1936年2月、2013年4月に記録が残っているのみだ。

「有馬~高槻断層帯のごく近くで起こったことが見れとれるので、場所的な関係は否定できないが、活断層の一部として動いたかどうかは不明」(気象庁地震火山部・松森敏幸地震津波監視課長)

今後は、同じ程度の揺れが、1週間程度は起きる可能性がある。松森課長は警告する。「特に2~3日程度は、震度6弱程度の地震に注意してほしい」。さらに、「都市部での地震は、高層ビルや住宅密集地などで、建物や外壁の崩壊などが起きる可能性がある。仮に発生した場合は、頭部を保護しながら、安全な場所に入る。また、室内の家具類の固定、置き場所の移動など、日ごろから意識して注意してほしい」とも。

1995年1月17日の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)は六甲・淡路断層帯の一部である野島断層帯の付近で起きた。この断層帯は今回の地震の震源からは遠いが、今回の地震に近かった有馬―高槻断層帯に続くが、気象庁は「場所的にも規模的に関係は認められない」(前同)と、この影響を否定した。

この地震では、高速道路の通行止めなどが広範囲に及び、物流にも広い影響を及ぼす可能性がある。

この地震発生の直後からの通行止めは、
・阪神高速 全線
また、西日本高速の次の6つの一部区間
・名神 京都南~西宮
・新名神 高槻JCT~神戸JCT、城陽JCT/IC~八幡京田辺JCT/IC
・京奈和道 城陽JCT~木津IC
・近畿道 吹田JCT~大東鶴見IC
・中国道 吹田JCT~神戸三田IC
・山陽道 神戸JCT~神戸北IC
主な有料道路の通行止めは以下の通り。
・京都縦貫道 全線
・京滋パイパス 全線
・第二京阪 全線

正午時点で各社は、次のように状況を語る。
・「復旧の目途はたっていない。影響について確認中」(阪神高速広報担当)
・「復旧に支障がある大きな影響の報告は、現時点では上がっていないが、今も安全点検作業中。通行止め解除の見通しはたっていない」(西日本高速広報担当)

また、地震は物流への影響も心配されている。ヤマト運輸では大阪府と京都府の配送拠点の一部でガラスが割れるなどの損傷があった。「地震が朝の発生だったため、関西地区に届く当日朝までの荷物に影響はなかった。現時点で大きな遅れもない」(広報担当)。佐川急便でも「大きな影響はなかった」(広報担当)という。ただ、両社とも、今後の道路状況によっては遅延などの可能性を示唆している。移動と共に、物流でも道路状況に注意が必要だ。

《中島みなみ》

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